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「野茂さん、本当にありがとうございました」イチローのメジャー殿堂入りスピーチ”あえて日本語で語った理由”「だって野茂さん、日本人ですから」 

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石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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photograph byNaoya Sanuki

posted2025/08/18 17:03

「野茂さん、本当にありがとうございました」イチローのメジャー殿堂入りスピーチ”あえて日本語で語った理由”「だって野茂さん、日本人ですから」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

7月27日、クーパーズタウンで英語のスピーチをしたイチロー

 じつは今から32年前、新潟の長岡市悠久山野球場で2人は対峙していた。そして、プロの世界で初めてのホームランをイチローは野茂から打っている。当時、入団以来、3年連続で最多勝を獲っていた近鉄の野茂は、'93年6月12日、高卒2年目だったオリックスの鈴木一朗と対戦した。野茂が投じた初球、インハイのストレートを華奢な鈴木がバットをしならせて弾き返し、詰まりながらもライトスタンド最前列へ運んだ。

「きっと凄いんだろうなと思ったものが本当に凄かったことって、ほとんどないんです。プロには球の速い人がいっぱいいると思ったら、一人も速いと感じるピッチャーはいない……野茂さんの球も速いとは思わなかったし、凄いとは思いませんでした」

若きイチローが野茂を凄いと思ったこと

 そんなイチローが野茂のことを凄いと思ったのは、その2年後のことだ。'95年に野茂がメジャーへ挑んだとき、それは野球選手としての“命”を賭した闘いだった。当時、日本のプロ野球選手に与えられていた唯一の権利――任意引退選手になる、つまり球団を自らの意志で辞めることを厭わない覚悟で、野茂は近鉄にメジャー挑戦を願い出た。そして野茂はドジャースへ入団する。その勇気ある行動を若き日のイチローは凄いと思っていたのだという。

【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の「だって野茂さん、日本人ですからね(笑)」イチローが語る野茂英雄への“感謝”とメジャーで味わった‟恐怖”《MLB野球殿堂入りスピーチの舞台裏》で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

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