「私学の壁を超えたい」兵庫の“偏差値70超”公立校が本気で目指した甲子園の結末は？…ベスト4にも指揮官の本音「『公立だからスゴい』では悔しい」 

　それでも東洋大姫路の壁は想像以上に分厚かった。だが、目を潤ませながら取材に応じた本山の表情には、どこか充実感も漂っていた。

「悔しいですけど、やり切りました。今日はたくさんの応援の声にも支えられました。ピンチでもスタンドからの声が励みになりました。今後は大学でも野球を続けたいです。その先もできるだけ長くプレーできたら」

チームのエースを務めた本山　©︎Fumi Sawai

　そう穏やかに言葉を紡いだ。

練習後、予備校に通うのが日課の選手も

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　4回戦の網干戦で2安打3打点をマークした2番の丹野塁は、3年生部員で4人が所属する科学探究科で学んでいる。理系の専門学科で偏差値は70を超え、野球部の練習を終えると予備校にも通う、まさに文武両道を体現している1人だ。

「春は三木に勝てば東洋大姫路と対戦するはずだったんです。自分たちが負けて春は対戦できなかったんですけど、この夏、やっと対戦できるということで今日は楽しみでした。守備でリズムを作って攻撃に繋げるのが自分たちの持ち味だったんですけれど、今日はそれができなかった。

　夏はノーシードで挑戦者のつもりで戦ってきましたが、勝っていくごとに自信がついて、準決勝まで勝ち進めました。夏にここまで勝ち進んで、初めて見る景色ばかりだったので、北垣先生（監督）にありがとうと言っていただいた時は、感謝の気持ちと……悔しさがありました」

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