「私学の壁を超えたい」兵庫の“偏差値70超”公立校が本気で目指した甲子園の結末は？…ベスト4にも指揮官の本音「『公立だからスゴい』では悔しい」 

　結果的に、彼らの練習に対する姿勢には目を見張るものがあった。指揮官は言う。

「仲も良くて団結力もあって。練習では自分たちでこんなことをしようとか、色んなことが出来る子たちだったんです」

“私学の壁”を越えるために…

　だが昨秋は、県大会2回戦で敗退。冬場の練習では選手たちが自主的に動いてチーム力も上がり、自信を持って臨んだはずの春の県大会も、初戦で三木に1－5で敗れた。

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「これが結構ショックだった」と北垣監督。夏のシード権も手にすることができずダメージは大きかったが、北垣監督には常にある思いがあった。

「兵庫県では東洋大姫路、報徳学園と“私学の壁”がある。そういうチームを倒すことを目指してきました」

　練習は特別なことはしていない。地道にノック、バッティングなどをこなすが、元々部活動が盛んで、他の運動部と学校内にあるグラウンドを分け合いながら朝練と夕方の時間を効率良く活用している。

「私学を倒すことを目標にやってきた」という小野ナイン　©︎Fumi Sawai

　実は夏の県大会直前には報徳学園と練習試合をし、5－6の僅差で敗れていた。それでも報徳学園の大角健二監督に「苦しいゲームだった」と言わしめている。昨夏の県代表を相手に接戦を演じたことも、自信に繋がっていたのかもしれない。

　エースの本山翔は言う。

「甲子園を本気で目指して小野でやってきたので……。キャッチャーからピッチャーに転向して初めての夏でしたけど、配球はキャッチャー時代の経験もあるし、何とかやれると思って。今日も最後まで抑えるつもりで投げました」

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