- #1
- #2
野球善哉BACK NUMBER
大阪桐蔭はなぜ「またも」負けたのか!? 現地で見えた新スタイルの“迫力不足”…リードしても「まだいける、桐蔭倒せるやんと相手に思われて…」
posted2025/07/28 17:25
昨夏の甲子園での完封負けから雪辱を期して新スタイルを磨いてきた大阪桐蔭だが、甲子園出場を逃してしまった
text by

氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
SANKEI SHIMBUN
夏の全国高校野球選手権大会、大阪大会決勝戦。王者・大阪桐蔭はタイブレークの末に敗れて甲子園出場を逃した。昨夏の甲子園での2回戦敗退から、捲土重来をめざして作り直してきたはずのチームに何があったのか。その内側を現地で探った。〈全2回の1回目/つづきを読む〉
大阪桐蔭が「また」負けた。
2年連続の甲子園を目指して決勝戦に挑んだが、14年ぶりに決勝で相対した東大阪大柏原の前に苦杯をなめた。
4点を先取される苦しい展開で、7回に相手投手陣の乱れにつけ込んで同点に追いついたものの、突き放すことができず。延長タイブレークの末に5-6で敗れたのだった。
バッティングは水もの、だが
ADVERTISEMENT
「バッティングは水ものであると、打てる日もあれば、打てない日もあるってことを言われ続けてきたんですけど、先制点を取られてから、自分たちのリズムに行けなかった。バッティングに対して気持ちの余裕が出せなかった」
エースでキャプテンの中野大虎がそう唇を噛み締めた。主将の言葉にあるように、完全に打ち負けた試合だった。かつて幾多のスラッガーをプロに輩出したチームの、らしくない戦いぶりに、王者の迷走を感じずにはいられなかった。
「強打の大阪桐蔭」の名にキズがついたのは昨夏に遡る。甲子園の2回戦。小松大谷の前に5安打零封負けを喫した。相手投手に“マダックス”完封勝利を達成され、力無く負けた試合だった。バットの規格が変わり、それに対応できなかったとメディアはこぞって報じたが、その指摘は間違いではなかった。甲子園で負けるまでその弱点は露呈しなかったが、どこか迫力を欠いた打線、という印象が大阪大会当時からあった。
打線の迫力不足の影響
大阪桐蔭のヘッドコーチを務める橋本翔太郎は当時をこう振り返る。

