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「クボより機動力が」「身長192cmのWB…まだ力を」トルシエが“W杯秘密兵器”に推すE-1日本代表の3人「リュウノスケ、モチヅキ、ジャーメインだ」
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田村修一Shuichi Tamura
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2025/07/23 17:21
望月ヘンリー海輝は192cmの体格でサイドを務められるというストロングポイントを持つ
長友佑都の招集に躊躇はなかったし、30歳を超えた選手たちの招集にも迷いはなかった。韓国戦の勝利が、日本の人々に何をもたらすかを彼はよくわかっていた。それは日本国民の自信であり、日本協会や日本メディアの自信だった。その自信を、彼は日本で存分に味わわせた。そして韓国戦の勝利はA代表に対しても、W杯でのベスト8進出達成という責任を、改めて背負わせることになった。
こんな風に一歩一歩積み重ねながら、チームは進歩していく。新たな選手の発掘は常に続けられるが、森保の頭の中にはすでにグループが出来あがっている。そこに新たに加わるとしたら、望月ヘンリー海輝や佐藤といった選手たちだ」
モチヅキは本当の力をまだ見せていない
――今大会で右ウイングバックを務めた望月は、192cmの身長とダイナミズムを生かしてプレーしました。彼もW杯のグループに加わる可能性がありますか?
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「右アウトサイドで存在感を示したが、彼の本当の力はまだ見せてはいない。本来はもっと攻撃的なのだろう。しかしアウトサイドに関して、日本は人材豊富ではない」
――伊東純也はピークを過ぎて、堂安律も本来はアウトサイドの選手ではありません。他にこれといった人材はいません。
「もともと伊東はアタッカーだ。体躯もスピードもあり、技術的にも優れたアウトサイドとはイメージが異なる。その意味で望月は、W杯のグループに入ってもおかしくはない」
――酒井宏樹のイメージと重なりますか。
「その通りだが、酒井よりも繊細だ。この大会の森保の目的はとても実践的で、見事に目的を達成することができた。日本はフィジカル能力において大きな進歩を成し遂げたことを世界に示した。優勝は守備力の勝利であったからだ。優勝するには勝利が必要で、それは攻撃により達成されることが多いが、守ることによる勝利もまた存在する。そこがサッカーの面白いところで、韓国戦のような試合もまたとても興味深い。たしかに優れたサッカーではなかったが、とても効率的ではあった」
――攻撃に関しては、あなたが指摘し続けた通り、アタッキングサードでの構築が最後まで出来なかったということですね。
「オートマティズムを作り出すまでのコレクティブなクオリティがなかった。それは森保が、このチームを招集してから大会までの時間がなかったことと関係しているのだろう。実際、日本が、攻撃の組織力を体現することはほとんどなく、攻撃に関してはまったく不十分だった」
ジャーメインは実践的であり、効果的でもあったが
――それでも個々の選手は、それぞれの能力を個人的に発揮していました。

