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「クボより機動力が」「身長192cmのWB…まだ力を」トルシエが“W杯秘密兵器”に推すE-1日本代表の3人「リュウノスケ、モチヅキ、ジャーメインだ」 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byMasashi Hara/Getty Images

posted2025/07/23 17:21

「クボより機動力が」「身長192cmのWB…まだ力を」トルシエが“W杯秘密兵器”に推すE-1日本代表の3人「リュウノスケ、モチヅキ、ジャーメインだ」<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

望月ヘンリー海輝は192cmの体格でサイドを務められるというストロングポイントを持つ

「ポジショニングが素晴らしく、スピードもテクニックもある。パーソナリティもしっかりと持っていて、そこはちょっと久保建英と似ている。ただ久保よりも機動力がある。久保はドリブルのためにボールを保持することが不可欠だが、佐藤はスペースにボールを要求し、走りながらボールを受ける。相手を抜き去る技術も持っているが、それよりスペースでボールを受けるところに特徴がある。

 彼ならW杯のグループに入ってもおかしくはない。スタメンでも起用できるし、ジョーカーとしてもとても面白いからだ。労力を惜しまないし、動き続けられるフィジカルの強さがある。ドリブルもシュートもフリーキックも優れている。完璧な能力を備えているうえに、ポリバレントで右でも左でもプレーできる。この大会で佐藤は、ニューカマーとしてレベルの高さを世に知らしめた」

――彼はまだ18歳ですが、ヨーロッパや世界を見渡したときに、彼のように10代後半で活躍する選手は珍しくはありません。

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「たしかにヨーロッパはそうだ」

――フランスではデジレ・ドゥエ(20歳)やワレン・ザイル=エムリ、セニー・マユル(ともに19歳、3人ともパリ・サンジェルマン)、スペインではラミン・ヤマル(18歳、バルセロナ)……。

「その通りで、ドゥエやブラッドリー・バルコラ(22歳、パリ・サンジェルマン)のような選手は、人間関係においてより成熟しているといえる。だがピッチ上の能力だけを比べたら、佐藤にはドゥエと同等の能力がある。スピードやドリブルに関して、佐藤がドゥエに劣っているとは思えない」

モリヤスの頭の中にはすでにグループはあるが

――違いは高いレベルでの経験の差でしょうか?

「そうだ。また日常的な態度も、ヨーロッパ人選手の方がより大人であるといえる。その点で佐藤はまだ若者の域を出ていない。違いはそこにあって、ピッチの上で問題になるのは選手としてのクオリティだ。そのレベルで佐藤には決して遜色がない。彼が大会の最優秀新人であるのは間違いない」

――それではこの大会の日本を、あなたはどう結論づけますか?

「森保が構築したのは……グループを強化するために選んだ選手たちのチームではなかった。彼はこの大会を、極めて実践的に活用した。つまり国内の選手でチームを構成し、最終の韓国戦に向けてフィジカル能力を発揮できる選手たちでチームを作りあげた。彼にとって、すべては最終の韓国戦のためにあった。

 その点で彼は実践的だった。

【次ページ】 モチヅキは本当の力をまだ見せていない

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