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「代表海外組の帰国はチャーター便で」「日本でも欧州時間で活動」W杯最終予選最速突破への“徹底準備”の内実をバックアップ責任者に聞く! 

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佐藤景

佐藤景Kei Sato

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/07/23 17:50

「代表海外組の帰国はチャーター便で」「日本でも欧州時間で活動」W杯最終予選最速突破への“徹底準備”の内実をバックアップ責任者に聞く!<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

日本代表が史上最速でW杯出場を決めたウラでは、選手のコンディションに徹底して気を配る様々な準備があった

「前日は公式練習なので時間が限られるし、負荷を上げることもできない。そうすると、メンバーのコンディションも十分に把握できないまま試合を迎えることになります。何とか火曜日の練習までに全員がそろう状況をつくれないか、全体練習の数をもう1回増やせないかと考えました。そうすれば、チームで戦術を合わせる機会も、全体ミーティングの数も増やすことができる。試合の2日前なら、例えばゲーム形式でちょっと負荷をかけたメニューも可能でしょう。選手のコンディションに関するデータはその都度、取っていましたが、そういう練習をしないと分からないこともあります。練習の回数を増やすことがチームにとって大きなプラスを生むのは明らかでした」

欧州組をチャーター機で少しでも早く帰国させる

 練習機会を捻出するために協会は動いた。その最たる例が費用をかけてチャーター機を用意したことだ。すでに全選手とスタッフがそろった状態から、連戦の移動に活用したケースは過去にもあった。だが、今回は海外組の帰国のために利用した。

 見逃せないのは、その過程でも細かな配慮がなされていた点だ。所属クラブや選手の事務所スタッフと連携し、各選手の試合終了後に最寄りの空港まで移動するためのタクシーを手配。時間の短縮を徹底した。そうした小さな努力の積み重ねによってヨーロッパに点在する選手たちをベルギーなどの拠点に集め、定期便の時刻に関係なく帰国させることができた。果たして日本は全体練習の機会を1日増やすことになったのだった。

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 結果は知っての通りだ。最終予選初戦の中国戦は7−0で大勝。続く10月シリーズの初戦はアウェーのサウジアラビア戦だったが、過去3度未勝利だった地で2−0の勝利をもぎ取った。

できることはすべてやる

 ポジティブな効果をもたらした準備はチャーター機の活用だけに留まらない。スタッフは「できることをすべてやる」との考えに貫かれて行動してきた。山本NDが明かす。

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