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佐々木朗希の“不調でも、ケガでもない”最大の問題とは? 復帰まで「調整と言うより“肉体強化”」論点ズバリ…岩隈久志でさえ「体力不足」と言われた1年目
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四竈衛Mamoru Shikama
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/20 11:04
メジャーのスタッフとともにトレーニングに励む佐々木朗希
「1年目から離脱」に厳しい声はあるが…
日本で実働4年間、メジャーで1年目の佐々木を、当時の岩隈と比較することは難しい。ただ、目の前の結果を求めるのではなく、科学的な根拠に基づき、中長期にわたってクオリティの高い投球を続けるために必要な期間、との方針に類似点は少なくない。ロバーツ監督は、佐々木への期待度を率直な言葉で表現した。
「このレベルで成功するための方法を、フィジカル、パフォーマンスのうえでも理解し、経験を積んで学んでほしい」
たとえ1試合で快投を演じる能力があったとしても、長丁場の公式戦や緊迫するポストシーズンを、コンスタントな内容で乗り切ることは、周囲が考える以上に簡単ではない。
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7月2日。ドジャースのクレイトン・カーショーは、幾多の故障を経ながらも、史上20人目となる通算3000奪三振に到達した。08年のデビュー以来18年間、通算442試合のマウンドに立ち、コツコツと積み上げてきた末の金字塔だった。
「無事是名馬」は、「能力が多少劣っても怪我なく無事に走り続ける馬は名馬」との意。
群を抜く能力を持つ佐々木が、今後長きにわたって「無事」であり続けるための期間であるとすれば、1年目の離脱は、厳しい声が聞こえるとしても、おそらく遠回りではない。

