メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
佐々木朗希の“不調でも、ケガでもない”最大の問題とは? 復帰まで「調整と言うより“肉体強化”」論点ズバリ…岩隈久志でさえ「体力不足」と言われた1年目
posted2025/07/20 11:04

メジャーのスタッフとともにトレーニングに励む佐々木朗希
text by

四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
JIJI PRESS
鳴り物入りでドジャース入りし、日本での開幕2戦目でメジャーデビューした佐々木朗希が、マウンドから遠ざかって約2カ月が経過した。「右肩インピンジメント症候群」という聞き慣れない診断名もあり、これまでは復帰のメドすら見えない時期が続いていた。
そんな中、デーブ・ロバーツ監督が7月13日、佐々木が既にブルペン投球を再開し、時速90マイル(約145キロ)を計測するなど、着実にステップを踏んでいる近況を説明した。
「痛みもなく、いい状態にある。これまでよりも(体が)強くなっていると聞いている」
ADVERTISEMENT
今後は定期的にブルペン投球を重ね、ライブBP(打者相手の実戦投球)、マイナーでの登板へ移行する青写真を明かした。さらに、復帰の見込みとして「8月下旬」と、初めて踏み込んだ発言を残した。順調であれば、優勝争いが本格化する公式戦終盤だけでなく、ポストシーズンでの登板が期待できる状態まで回復してきた。
現在も「調整と言うより“強化”」を行うプログラム
ロッテ時代の22年に完全試合を達成するなど、「令和の怪物」と呼ばれる佐々木が持つ人並み外れた潜在能力は、日本だけでなく、米国でも広く認識されていた。その一方で、日本での実質4年間で規定投球回数に到達したことがなく、デビュー前から体力面での不安を指摘する声も聞かれた。離脱直前となった5月9日のダイヤモンドバックス戦では、5回途中まで自己最多の5失点、奪三振ゼロだったこともあり、初の中5日登板との関連性も指摘された。
「調整自体が難しいというのは感じなかったですし、中5日がパフォーマンスに影響した感じはないかなと思います」
試合後の佐々木は、いつものように表情を変えることなく、淡々と自らの投球を振り返った。直前の4試合では各5イニング以上を投げ、投球数が最多の98球まで増えるなど、順調にステップアップしていただけに、長いシーズン中の単なる不調とも思われた。ところが、実情は異なっていた。その後、登板前から右肩に違和感があったことが明らかになり、球団から負傷者リスト(IL)入りすることが発表された。その際、デーブ・ロバーツ監督は「これ以上、無理はさせず、休養を取って100%の状態で戻ることが大事」と、球団としての方針を明かした。もっとも、その時点で復帰時期を設定することはなかった。