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「ミスしてもいいから打て!」女子バレー39歳トルコ出身の新監督は何を変えたのか? 右腕コーチ陣が証言「考えられない選手は置いていかれる」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJVA/AFLO SPORT
posted2025/07/15 11:06
バレーボール女子日本代表としては史上初の外国人監督となるフェルハト・アクバシュ(39歳)
練習中から常に選手に考えさせる。シンプルなスパイク練習などは少なく、複合的な練習がメインだ。
「個人練習があまりなく、他の人とのコネクションがある練習が多いので、頭を使います。1回の練習が長いわけじゃないけど、疲れると思いますよ」と豊暉原コーチ。
金子コーチも「バレーボールIQを上げようとしているんだろうなと感じます。オフェンス練習だと言っても、(向かい側のコートに)ブロックディフェンスもついてくる。考えられない選手は置いていかれて、考えられる選手は意図を理解してどんどんパフォーマンスを上げていく、というふうになっていくと思います」と語る。
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常に状況判断を求められる中で練習していることが、試合での対応力にもつながっている。
中田久美監督のもとで日本代表コーチを経験
トルコ出身のアクバシュ監督は、若くして指導者の道に進み、ルーマニアやポーランド、トルコのクラブチームで指揮をとり、2023年の世界クラブ選手権ではトルコのエジザジュバシュを優勝に導いた。トルコやクロアチアの代表監督も務め、今年、日本代表監督に就任した。
2017、18年の2年間は中田久美監督のもとで日本代表のコーチを務めており、日本バレーのスタイルを熟知している。
その上で今年掲げているのは「アグレッシブな攻撃」だ。金子コーチは、監督の意図をこう代弁する。
「日本の女子バレーは昔からディフェンスがいいとわかった上で、監督はそこに加えてオフェンスをちゃんと強化しようとしている。バレーボールはオフェンスをどう決めていくかが大事だなと、今回のネーションズリーグで改めて認識しました。オフェンスが機能していれば勝つし、ブロックディフェンスが機能していてもオフェンスが機能していなければ負ける。“点数を取るんだ”というマインドをちゃんと持たなければ。そのために、練習の時からリスクを負うということをやっています」

