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「ミスしてもいいから打て!」女子バレー39歳トルコ出身の新監督は何を変えたのか? 右腕コーチ陣が証言「考えられない選手は置いていかれる」
posted2025/07/15 11:06
バレーボール女子日本代表としては史上初の外国人監督となるフェルハト・アクバシュ(39歳)
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
JVA/AFLO SPORT
「千葉ラウンドは、良かったね。ありがとうございました。みんな。サポート」
バレーボール女子日本代表初の外国人監督、フェルハト・アクバシュは、日本のファンへのメッセージを求められると、テレビカメラの前でとっさに日本語を披露した。
監督就任後初の国際大会であるネーションズリーグの予選ラウンドが7月13日まで行われ、日本は9勝3敗の3位でファイナルラウンド進出を果たした。
「良い、悪いをハッキリ伝える監督ですね」
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「ドウゾ!」
それがアクバシュ監督の「スタート」の合図だ。
合宿中は、ホワイトボードの前で次の練習の目的や手順を説明すると、監督の「ドウゾ!」の声とともに、選手たちが各々のポジションにつく。
「どうぞ」は一見柔らかい響きだが、監督の要求は高く、決して妥協しない。練習の意図が伝わっていないと感じれば、途中で練習を止めて「もう一度この練習のテーマを説明します」と、吉田伸アナリストの通訳を介して説明する。
金子隆行コーチは「良い、悪いをハッキリ伝える監督ですね」と言う。
「日本人同士だとなんとなく言いづらいことがあったり、流してしまうこともあったりする。例えば、言いやすい人には言うけど、言いにくい人には言わないとか、どの世界にもあると思うんですけど、彼は誰が相手であれハッキリ言いますし、自分の目指すものをちゃんと提示してくれています」
豊暉原峻コーチも「日本人って、悪く思われたらどうしようとか、これ以上言ったらもう話を聞いてくれなくなるだろうな、みたいなものがどこかにあると思うんですけど、彼は徹底させたいことはとにかくずっと言い続けますね」と話す。
選手の受け取り方も同じだ。ミドルブロッカーの宮部藍梨は「こうして欲しい、ああして欲しいという要求をすごくこちらにくれるので、やりやすいです。試合の中でうまくいかない時にも、こうしようという技術面、戦術面の具体的なアドバイスが多い。私は情報量が多いほうが、それをベースに考えてコート内でできるので、すごくいいなと感じています」と語る。


