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「ミスしてもいいから打て!」女子バレー39歳トルコ出身の新監督は何を変えたのか? 右腕コーチ陣が証言「考えられない選手は置いていかれる」 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byJVA/AFLO SPORT

posted2025/07/15 11:06

「ミスしてもいいから打て!」女子バレー39歳トルコ出身の新監督は何を変えたのか? 右腕コーチ陣が証言「考えられない選手は置いていかれる」<Number Web> photograph by JVA/AFLO SPORT

バレーボール女子日本代表としては史上初の外国人監督となるフェルハト・アクバシュ(39歳)

 監督は練習中、「ミスをしてもいいから打て」と言い続けている。

「ぺろん、というフェイントなどじゃなく、今みんなしっかり打つようになった。少しずつ浸透している気がします」と豊暉原コーチは言う。

 スパイカーだけではない。セッターの関菜々巳もこんな変化を語る。

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「監督はチーム全体に常々アグレッシブさを求めていて、『ずっと同じことをしていても変わらないんだから、トライしろ。ミスしてもいいからトライしろ』と言われます。それはセッターにも。『すぐにアンダー(ハンド)で行くな。オーバー(ハンド)で行って』とか、『そこからでもクイックが使えるでしょ!使っていいよ』と言われたり」

采配が冴えたポーランド戦

 チームのアグレッシブな姿勢を象徴する試合の一つが、千葉大会のポーランド戦だった。平均身長189.1cm(リベロを除く)と日本を大きく上回り、世界ランキングでも3位(日本は5位、対戦前時点)の相手に対し、日本はキャプテンの石川真佑を筆頭に、2枚ブロックのインナーを力強く打ち抜いたり、高いブロックの指先を弾き飛ばし、打ち負けなかった。セッターの関も、島村春世のブロード攻撃で3連続得点を奪うなど、攻めのトスワークで3-1の勝利に導いた。

 アクバシュ監督は、予選ラウンドを総括し、こう手応えを語った。

「非常にアグレッシブに攻めきれていたと思いますし、それに応じてアタックの数字も上がっている。この3週目の千葉大会では、アグレッシブに攻めることにプラスして、ロールショットやティップなど相手が嫌がるプレーも意図して使い、相手のブロックディフェンスの弱点を突くことも考えてやっていました」

 指揮官の采配も冴えた。例えばポーランド戦では、スターティングメンバーが躍動し第1セットを幸先よく奪ったが、第2セットを奪われ流れが悪くなると、早めにメンバー交代を決断した。オポジットの和田由紀子に代えて身長185cmの秋本美空(18歳)、アウトサイドの佐藤淑乃に代え183cmの北窓絢音(21歳)を起用して逆転に成功。最後は好調だったミドルブロッカー島村に代えて投入した山田二千華のブロックで締め、勝利した。

「交代して入った若い選手たちがみんな、どの試合でも、大事な場面でポジティブなフィードバックをしてくれている」と指揮官は納得の表情だった。

【次ページ】 アクバシュが掲げる“育てながら勝つ”

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