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「セナ、なんで泣くの?」号泣するセッター関菜々巳にブラジル主将が贈った“アイラブユー”の意味とは?「セナのいる日本とやるのは本当に嫌!」 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byYuki Suenaga

posted2025/07/14 17:04

「セナ、なんで泣くの?」号泣するセッター関菜々巳にブラジル主将が贈った“アイラブユー”の意味とは?「セナのいる日本とやるのは本当に嫌!」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

ブラジル代表エースのガビ(31歳)と言葉をかわす関菜々巳(26歳)。昨シーズン、イタリア・セリエAのイモコ・コネリアーノで共にプレーした

「楽しい」と何度も口にする関が、千葉大会で最も胸躍らせる試合が13日のブラジル戦だった。選手としても人としても「リスペクトしかない」というガビとの対戦に、これまでとは全く異なる心情で臨めていた。

「ガビ、日本と対戦するのを『本当に嫌だ!』って何度も言っていたんです。いつも5セットになるから疲れるし、ディフェンスされるし、追い詰められるから本当に嫌だ、って(笑)。あのガビがそんな風に思っていたのか、と思うとそれだけで嬉しいし、やってやろうと思いますよね」

 逞しさを増した関の成長をガビも喜んでいる。今シーズンの国際試合での対戦は初めてだが、「周りの話を聞いてもセナがすごくいいと聞いている」と明かすと、そこからガビの英語が少し早口になった。

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「日本のバレーボールはシステム、クオリティ、どちらも素晴らしい。ブラジルと日本のこれまでの試合の歴史を見てもわかるように、いつも難しく、でも素晴らしい試合になるはず。私は日本のバレーボールにリスペクトを持っているので、(13日の試合も)全力で戦います。でも、素晴らしく優れたリーダーシップを持つセナが、とっても素晴らしいプレーをしているので、日本との対戦は今まで以上に本当に嫌です(笑)」

ガビに完敗も…「I proud of you」

 ガビの言葉に反し、結果はブラジルのストレート勝ち。日本代表としても、関自身も、改めて強さを実感させられる試合になった。試合後、関が述べた課題は具体的だった。

「ほんとに、やっぱりレベルが高い、世界一を争うチームだと思いますし、私たちも追いついていかないといけない。あのフィジカルであの速さ、あの精密さがブラジルの強さだと思うし、私たちはそのフィジカルが足りない分、もう一つ精度を上げてやらないといけないとすごく感じました」

 収穫と課題。どちらも「五分五分」と振り返る試合の直後、ネットを挟んで互いの健闘を称える握手と共に、ガビと短い言葉を交わした。

「『I proud of you』って。ガビはすごくいい人で、優しいから誰に対してもそういう言葉をかけられる人だと思うんですけど、でも、世界の誰もが憧れる人が自分のことも認めてくれる。それだけで嬉しいし、認めてもらえているんだからもっと自信を持とう、持っていいんだと今は素直に思えます」

 互いにファイナルラウンドで勝ち進めば、準決勝で再戦の可能性がある。やられっぱなしじゃなく、次はやってやる。

 たとえうまくいかなくても、チャレンジを恐れず、自信を持って駆け引きを楽しむ。
世界を知り、解き放たれた関が、ファイナルラウンドではどんなトスワークを見せるのか。さらなる成長の時は、これからだ。

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