「E-1は日本の人々にとって重要なのか？」“観客687人の日本代表戦”をトルシエが一刀両断「香港戦後半のテンポはJリーグを見ているよう」 

――どれもシンプルですが、技術的に素晴らしかったです。

「攻撃の構築にも加わらず、守備にもさほど貢献はしなかったが、フィニッシュに関して彼は本当に素晴らしかった。後半と比べるとそれは明らかだった。技術レベルが不十分で、中村草太は何度か機会を逸した。そのため日本は苦戦を強いられ、プロらしくないナイーブさを露呈した。

　ただ前半の日本は実践的で、効率よく見事なゴールを重ねた。プレーの多くは左サイドが起点になっていた。相馬勇紀と宮代大聖、それに古賀太陽と川辺駿。この4人のコンビネーションが素晴らしく、最初の2得点は相馬のクロスをジャーメインが決めた。前半は左サイドが強みだった。それに対して右サイドは、久保藤次郎の突破が目立ったものの、左サイドのような連係はなかった。

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　香港戦から日本を評価するのは難しい。そして後半は、前半に比べ停滞し、疲労もあり連係は不十分だった。テンポを欠いたプレーはJリーグを見ているようで、後半の日本はパフォーマンスが低調で構築もまったく足りなかった」

それでもミヤシロ、コガは気に入った

――集中力を欠いたのかもしれません。

「それ以上に能力の欠如だ。まるでアマチュアのプレーを見るようで、香港との違いがまったく感じられなかった。もちろんこの試合から得られた自信は大きいし、日本は大会でいいスタートを切ることができた。だが同時に、この試合から日本の評価は下せない。相手が弱すぎた。

　それでも前半の日本は良かった。それなりに成熟もしていた。選手の平均年齢は27.8歳で（先発フィールドプレイヤーの平均年齢は28歳）、Jリーグで実績のある選手たちのチームだった」

――確かにその通りでした。

「前半でいえば、私は9番（宮代大聖）が気に入った。彼ならW杯のチームにも入れるかもしれない。それから4番（古賀太陽）も良かった。左足が使えてパス能力も高い。だがGK（ピサノアレクサンドレ幸冬堀尾）はちょっと物足りなかった。若さもあるが、安定感を欠いた。体躯は申し分ないが、重大なミスになりかねないハンドリングエラーを犯した。

トルシエが高く評価した宮代　©Getty Images

　いずれにせよこの試合から言えることはそう多くはない。前半の日本は良かった。対して後半は、森保（一）が若手にプレーの機会を与えた。その意味で、全体としては申し分のない試合でもあった。効果的なプレーで結果が得られたうえに、後半は佐藤龍之介のような若手にも経験を積ませることができた。彼には大きな才能を感じた」

E-1は日本にとって重要な大会なのか？

――しかし中国戦と韓国戦に向けては、選手を代えてくるのではないかと思います。

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