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カーショー大記録達成のウラに“ドジャースの絆”「スーパー感謝してる」試合後に明かした“フリーマンの気遣い”…イチローさんと共通した「感謝の中身」
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笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2025/07/07 17:40
3000奪三振の大記録を達成し、ベンチで大谷翔平らドジャースのチームメイトと喜びを分かち合ったカーショー
思い出したイチローさんの言葉
カーショーのこの言葉を聞き、イチローさんが日米通算でピート・ローズ氏のメジャー歴代最多の4256安打を上回ったとき、そしてメジャー通算3000安打を放ったときのことを思い出した。イチローさんも同じことを言った。
「去年このチーム(マーリンズ)に来て、1年一緒にやって、今年メンバーが少し替わったんですけど、チームメイトとしては、最高のチームメイトとハッキリ言える、まぁ“子”たちですよね、もう、年齢差から言えば。本当に感謝してます。彼らには。記録の時はいつもそうですけど、ファンの方だったりと、ああいう反応をしてもらえるとすっごくうれしかったです。そこですね。それがなかったら、何にも大したことないです」(2016年6月15日、サンディエゴで日米通算4257安打達成時)
「達成した瞬間にチームメイトたちが喜んでくれて、ファンの人たちが喜んでくれた。僕にとって3000という数字よりも、僕が何かをすることで僕以外の人たちが喜んでくれることが、今の僕にとって何より大事なことだということを再認識した瞬間でした」(2016年8月7日、コロラドでメジャー通算3000安打達成時)
個人記録を目指すだけでは、リスペクトは得られない
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言うまでもなく、野球とはチームの勝利のために戦うものだ。確かに安打も奪三振も勝利へ繋がる要因のひとつであることに違いないが、個人記録にフォーカスする選手がいたとすれば、リスペクトは得られないだろう。
周囲の仲間や関係者、ファンは彼らが何年もの間にわたりチームに貢献し、自分の仕事に集中し、コツコツと数字を積み上げてきた事実を知るからこそ、特別な敬意を払う。そして、その思いが伝われば選手は力を与えられ、懸命に努力を重ねる原動力にもなる。
『喜んでくれる人がいるから頑張れる』。カーショーとイチローさんが同じ言葉で謝辞を表した意味はここにあるのだと感じる。
