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カーショー大記録達成のウラに“ドジャースの絆”「スーパー感謝してる」試合後に明かした“フリーマンの気遣い”…イチローさんと共通した「感謝の中身」

posted2025/07/07 17:40

 
カーショー大記録達成のウラに“ドジャースの絆”「スーパー感謝してる」試合後に明かした“フリーマンの気遣い”…イチローさんと共通した「感謝の中身」<Number Web> photograph by Getty Images

3000奪三振の大記録を達成し、ベンチで大谷翔平らドジャースのチームメイトと喜びを分かち合ったカーショー

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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 チケット完売の5万3536人の大観衆は総立ちで三振をおねだりしていた。6回2死、カウントは1−2。この回がラストイニングであることを理解していたメジャー18年目のレジェンドは、100球目となる次の1球に拘りの直球でも自慢のカーブでもなく、スライダーを選択した。

 外角低めへ決まった1球に打者ビンセント・カプラのバットはピクリとも動かない。『ストライク・アウト』。MLB史上20人目の3000奪三振の偉業が達成されたその瞬間、主役を務めるクレイトン・カーショーはちょっとだけ安堵の表情を浮かべたのが印象的だった。

「試合に勝って、最後の1球で三振を奪うことができた。あのように終わらせることができたのはとても素晴らしいことだった。ここで達成できなくて(次回登板の)ミルウォーキーまで家族を行かせるわけにはいかなかったからね。6回は頑張ったよ」

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 球場にはエレン夫人と4人の子供が訪れていた。正確には愛妻のお腹には5人目の子も宿っていた。涙する夫人、歓喜する子供たち。敬虔なクリスチャンとしても知られる一家の主人は、愛する家族に投げキッスを贈った。

 現役ではジャスティン・バーランダー(ジャイアンツ)、マックス・シャーザー(ブルージェイズ)に続き3人目の快挙達成に両軍のベンチ、ブルペンが総立ちで拍手を贈った。偉業に対する敬意に満ち溢れた光景は6分間にも及び、米国野球に脈々と流れる『RESPECT』の精神に心を打たれた。

試合後の会見でカーショーが何度も繰り返した言葉

 2997奪三振でスタートしたこの試合。打者27人中、2ストライクまで追いこんだ機会は15回に及んだ。その度にファンは三振を期待したが、なかなか決められない。その度にスタジアムから漏れるため息にカーショーは心を痛めていた。

「スタジアムが一球一球に集中しているのがわかった。何人も2ストライクを取ったけど、最後に決めることができなかった。今夜は三振を多く奪えず期待には応えられなかったが、ファンの気持ちは伝わってきた。彼らには、ただただ感謝している」

【次ページ】 カーショーを支えた“フリーマンとの絆”

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