「お前の方が使えんわ！」電撃トレード→監督室に怒鳴り込み→伊原春樹と衝突でオリ戦力外「問題児だな」なぜ山崎武司は楽天に拾ってもらえたか 

　シーズン開幕から間もない4月、走者一塁の場面で山崎が打席に立つと、伊原からバントのサインが出される。サインを出し間違えたと思った山崎がタイムを取って指揮官に確認すると、「いいから、サイン通りにやれ」と返ってきた。山崎は「失敗しても知りませんよ」と返事をして打席に戻る。案の定、バント失敗。後日、同じ場面で打席が回ってくると代打を告げられ、その代打は送りバントのサインを出された。

　伊原への不信感が増す中、関係修復が不可能になる出来事は4月下旬に起きた。西武との3連戦が、山崎の地元・名古屋で組まれていた。山崎は春季キャンプの時から、「名古屋の試合だけは絶対にスタメンで使ってください。そこに、かけていますから」と伊原に何度も伝えていたという。

監督室に怒鳴り込んだワケ

　3連戦の初戦、山崎は安打を2本放った。

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「これで、あすもスタメンで出場できそうだな」

　翌日も地元で存在感を見せようと意気込んでいた山崎は、2戦目のスタメンを知って目を疑った。DHには「谷佳知」と名前が入っていたのだ。山崎が監督室に怒鳴り込む。

「何で自分がスタメンから外れているんですか！ 名古屋の試合だけは使ってくださいと、ずっとお願いしていたじゃないですか！」

　伊原は谷が足を痛めているため、DHで起用すると説明した。納得がいかない山崎は「それなら、佳知を外してくださいよ」と食い下がる。当時GMだった中村勝広も間に入ったが、状況は変わらなかった。伊原から「お前は試合に出られる状態じゃないな。帰っていいぞ」と言われ、山崎は球場を後にした。翌日に登録抹消された。

オリックス時代の山崎　©JIJI PRESS

「世間では自分が怒り狂って試合をボイコットしたと思われていますが、伊原さんの言葉に従って帰宅しました。釈明しても仕方ないので、報道を否定しませんでしたけどね。この時点で今シーズンは終わり。シーズンの日程を消化したら現役引退だと思いました」

「お前は使えない」「お前の方が使えんわ！」

　その後、山崎は一軍と二軍を行ったり来たりした。2004年の最終成績は62試合で打率.245、本塁打4本。シーズン後に球団から戦力外を通告された。最下位に低迷していたシーズン後半にも、伊原監督とひと悶着あった。二軍降格を言い渡された際に理由を聞くと、「お前は使えないんだよ」と吐き捨てられた。

　山崎は、こう言い返した。

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