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ドジャースで異変“じつはベッツが自己ワースト状態”…なぜ? 大谷翔平の“次を打つ”苦悩「2番は難しい。ショウヘイが勝負避けられることも」
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2025/07/04 06:01
ドジャースの天才・ベッツが自己ワーストの状態に…苦しんでいる
「リードオフマンを長くやっていたから、2番は難しいと感じるときがある。僕はショウヘイには可能な限り数多く、バットを振ってほしい。歩かされるような状況にはなってほしくない。でも相手はもちろん、彼を歩かせるときがある。当然だよね。自分が投手でも、彼に投げたくはない」
相手に威圧感を与えるパワフルでアグレッシブな打撃スタイルの大谷の後ろを打つベッツは、その型破りなリードオフマンに続く2番打者としての自分の在り方を模索していた。
「でも僕は彼にバットを振ってほしいし、僕の後ろを打つフレディ(フリーマン)にもバットを振ってほしい。ただ長くリードオフしかやってこなくて、試合の入りには相手投手になるべく多くの球を投げさせるという打撃が身についている。だから今はある意味、板挟みになっているような感覚だ」
「微妙にタイミングが遅れてしまう」
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自分がどんな打撃をするべきなのか、迷いの中にいる。
「ショウヘイがホームランやヒットを打ってくれたらずっとラク。でも、もし彼が1、2球でアウトになったら、考えてしまう。考えると微妙にタイミングが遅れてしまうんだ。これまでのアプローチを変えて、バットを振れるのかどうか」
もがきながらスランプの出口を探し続ける中で、さまざまな感情が交錯していたのだろう。開幕当初に大谷に対してドライな発言をしていたベッツは、ポッドキャストの中で、こんな発言もしている。
「今、ショウヘイと同じチームになったけど、もし9回にショウヘイがマウンドに上がるような状況があったとしたら、よし、これで僕らの勝ちだと思える。それ以上に勝ちを確信できる状況は他にないと思う」
2年前のWBCで日本と米国が決勝で戦ったときのように、大谷がドジャースのユニホームを着てそんな瞬間をポストシーズンで迎えたら。大谷が二刀流として復活した今、ベッツは頭の中で、そんな場面を思い描いている。ともにチームを引っ張る存在としてリスペクトの気持ちはやはり心にあったのだと、思わせてくれる言葉だった。
