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村上宗隆2年52億円ホワイトソックス加入…“メジャー最弱球団”だが成績はどうなる「大谷翔平より高い“日本通算OPS”」岡本和真とともに大予想
posted2025/12/22 17:05
ホワイトソックス移籍が決まった村上宗隆。大谷翔平、吉田正尚らが残した通算成績から、岡本和真とともにメジャー1年目の成績を予想する
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広尾晃Kou Hiroo
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JIJI PRESS
村上宗隆のメジャー移籍先がようやくホワイトソックスに決まった。このチームは昨年、MLBがア・ナ両リーグになった1901年以来、ワーストの121敗を記録したチームだ。しかも23年も101敗、今年も102敗で、3年連続100敗以上を記録。「史上最弱」の声さえある。
その球団と「2年総額3400万ドル(約52億7000万円)」で契約したとの報道だ。大方の予想を大きく下回っている。これはMLBサイドの日本人野手に対する視線が、かなり醒めたものであることを意味する。
村上の場合、近年の「三振率」の高さが指摘されていたが、それに見合う本塁打が打てるのなら問題ないはずだ。三冠王翌年からの成績下落もマイナス要因だったということか。
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NPBからMLBに移籍する選手は、どんな成績を上げたら「成功」なのか? とりわけ打者の場合は、その線引きが難しい。成績に準ずれば、NPB時代を大きく上回る成績を上げれば「大成功」、NPBと同様の成績ならば「合格」、NPB時代より大きく数字が下がれば「不合格」ということになろう。
MLB移籍で成績はどうなるか…過去の選手を見ると
NPBからMLBに移籍した日本人打者で、MLBで3年以上プレーした選手15人について、NPBとMLBの、通算での打率(率)、出塁率(出)、長打率(長)、さらにはOPSを算出し、その変化を調べてみた。NはNPB、MはMLB、ASG=MLBのオールスター戦出場回数、△はプラス、▲はマイナス。
イチロー19年 ASG10回
N=率.353 出.421 長.522 OPS.943
M=率.311▲11.9% 出.355▲15.7% 長.402▲23.0% OPS.757▲19.7%
松井秀喜10年 ASG2回
N=率.304 出.413 長.582 OPS.995
M=率.282▲7.2% 出.360▲12.8% 長.462▲20.6% OPS.822▲17.4%
大谷翔平8年 ASG5回
N=率.286 出.358 長.500 OPS.859
M=率.282▼0.8% 出.374△5.0% 長.582△16.6% OPS.957△11.9%
田口壮8年
N=率.276 出.332 長.384 OPS.716
M=率.279△1.1% 出.332△0.0% 長.385△0.3% OPS.717△0.1%
松井稼頭央7年
N=率.291 出.344 長.450 OPS.794
M=率.267▲8.2% 出.321▲6.7% 長.380▲15.6% OPS.701▲11.7%
青木宣親6年
N=率.313 出.392 長.445 OPS.837
M=率.285▲8.9% 出.350▲10.7% 長.387▲13.0% OPS.738▲11.8%
福留孝介5年 ASG1回
N=率.286 出.379 長.486 OPS.865
M=率.258▲9.8% 出.359▲5.7% 長.395▲18.7% OPS.754▲12.8%
川崎宗則5年
N=率.292 出.344 長.376 OPS.720
M=率.237▲18.8% 出.320▲7.0% 長.289▲23.1% OPS.609▲15.4%
大谷と田口以外は成績が軒並みダウン
大谷と田口はプラスをマークしているが、それ以外は軒並み成績がダウンしている。メジャー通算4年以下の選手も同様だ。

