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「体にメリ込み内出血」160キロ報復死球翌日、大谷翔平は笑顔だった「“投げ心地”という言葉を…」テレビに映らない二刀流復活を番記者は見た
posted2025/07/04 06:00

報復死球禍があったが、大谷翔平は朗らかに二刀流復活のルートを歩んでいる
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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Luke Johnson/Getty Images
「お願いしまーす」
100マイル(約160キロ)の剛球が体にメリ込むほどの痛烈なデッドボールを浴びた翌日のロッカールームで、大谷翔平は“いつも通り”だった。12年もの長期間、番記者として大谷を追う柳原直之記者が、取材のために渡米。その最初の日ということで挨拶すると、大谷はピリピリしたムードもなく、明るい返事だったという。
気持ちの切り替えの早さも大きな武器では
現地時間6月16~19日に行われた、パドレスとの4連戦。同地区のライバルを本拠に迎えたドジャースは3勝1敗と勝ち越したものの、4試合で両チームの死球数は「8」にもなった。当てられたドジャースのパヘスやパドレスのタティスJr.ら主力打者が悶絶するたびに、これは“報復死球”なのでは――と、不穏なムードが漂った。そして最終戦では怒りを爆発させたロバーツ監督、パドレスのシルト監督が両者退場になるなど乱闘騒ぎに発展するまでに至った。
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そんな中で大谷は2度の死球を浴びた。
特に冒頭に記した2つ目の死球は乱闘騒ぎ直後ということで、カーショーらドジャースベンチは剣呑とした雰囲気になったが――大谷が“大丈夫”とばかりに手で制して、パドレスベンチに向かって笑顔で話しに行く場面も話題になった。その翌日から取材を開始した同記者は、クラブハウスのロッカーで“テレビに映らない大谷”の姿を目の当たりにする。
第2戦、右太もも横に当たった死球のアザは内出血が膝の裏側まで落ちて赤紫色に変色。さらに、第4戦で右肩付近に受けた死球の青アザも脇腹辺りに移動していたという。しかし、大谷はチームメートと談笑しながら、いつもと変わらずクラブハウスで準備を進めていた。この姿を見て、同記者はこう記している。
「気持ちの切り替えの早さも大きな武器という気がしている」
番記者が7階から観察して気づいたこと
死球禍にもタフネスぶりを見せた大谷にとって、6月最大のトピックスは電撃的な“二刀流復活”だった。
その投手復帰後の取材で真っ先に印象に残ったのは、大谷がブルペンで見せた“投手板の使い分け”だった。