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「金満球団。野球を台無し」“嫌われたドジャース王朝”の本質は大谷翔平でも“中0日”山本由伸でもなく「仲間と…特別なんだ」マンシーがポツリ
posted2025/12/22 06:02
激闘のワールドシリーズを制したドジャース。マンシーらが語った本音とは
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ジャック・ハリスJack Harris
photograph by
Sean M. Haffey/Getty Images
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2025年シーズンの米大リーグ(MLB)ワールドシリーズ。第7戦までもつれ込んだブルージェイズとの激闘を制し、ドジャースが連覇を成し遂げた。
二刀流を復活させた大谷翔平、「中0日登板」で胴上げ投手となった山本由伸、リリーフに転向した佐々木朗希。3人の日本人スターを擁し、東京でのシーズン開幕も話題となったドジャースにとっては、日本の野球ファンから熱い視線を浴び続けた1年でもあった。
その全軌跡に密着したのが、地元紙Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)だ。
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史上最高額の総年俸を払うチームをめぐっては“アンチ”を生み出し、スポーツ界の経済格差を問う声も上がる。しかし同紙は「こうした懸念の一部は確かに正当だが、誇張され過ぎている面も否めない」と論じた。取材活動で得たマックス・マンシーら各選手、有能な編成本部長として知られるアンドリュー・フリードマンを筆頭にしたチーム関係者の言葉とともに、チーム文化の本質について記す――。
最も誇りなのは、このチームの文化だ
【資金力はドジャースを支えたが、第7戦勝因は「築き上げた文化の力」】
足元には紙吹雪、手にはドリンク、顔には安堵と歓喜が入り混じった笑みを浮かべながら、ドジャースの三塁手マックス・マンシーは、その夜の問いかけに、ほとんど迷うそぶりを見せなかった。
ドジャースは王朝を築いたのだろうか?
「そうだろうね」と彼は言った。
この6シーズンの間、ドジャースは3度のワールドシリーズ制覇を達成。そのすべてに関わった6人の選手のうちの1人がマンシーだ。チームが歴史的な高みに上り詰めていく中で、彼はその象徴的存在の1人となった。
しかし土曜の夜、トロントでの波乱に満ちた第7戦を制した後、チームがこれまで築き上げてきたものについて話題になったが、35歳のベテランである彼の心に浮かんでいたのは、別の思いだった。彼が感じた誇りは、別のところから生まれていた。
「最も誇りに思っているのは、このチームが築き上げてきた文化だ」と彼は語った。
「その点こそ、一番語り継いでほしい」
「金満球団」「野球を台無しに」批判の声も
世間の議論がそちらに向かうことはおそらくないだろう。
