将棋PRESSBACK NUMBER
タイトルまで恋愛厳禁→女流四冠→将棋連盟初の女性会長に「私が選ばれたことが挑戦」「19歳から茶道も」清水市代の人生が凛々しい
text by

田丸昇Noboru Tamaru
photograph byKeiji Ishikawa
posted2025/06/26 06:00
日本将棋連盟初となる女性会長となった清水市代(2015年撮影)。女流棋士として比類なき実績を残した1人でもある
清水は四冠制覇によってメディアに大きく取り上げられ、文部大臣表彰を受け、都民文化栄誉章を受章した。NHK紅白歌合戦の特別審査員も務めた。
清水は19歳の頃から茶道(表千家)を習っている。畳の上の立ち居振る舞いや所作を学べるという。茶室にいると静寂に包まれ、とても落ち着けるそうだ。
不利な局面で励まされた“長谷川平蔵の言葉”
池波正太郎の時代小説を愛読している。『剣客商売』では、剣の道を歩む女性剣士の佐々木三冬の凛々しい姿に感じ入る。『鬼平犯科帳』では主人公・長谷川平蔵の行動力と情け深さに惹かれる。対局で投了したくなるような局面で思い出すのは〈絶望に直面したときは、まず笑ってみるといい〉という平蔵の言葉で、何度も励まされたという。
写真(外部サイトでご覧の方は【関連記事】からご覧になれます)は昨年6月に開かれた「女流棋士発足50周年記念パーティー」の光景。左から蛸島女流六段、清水女流七段、中井広恵女流六段、斎田晴子女流五段。以前にタイトル戦でよく対局した「戦友」でもある。今日の女流棋界の繁栄は、こうしたレジェンドたちによって築かれたものだ。

