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1億部作家・東野圭吾が雪山に仕掛けたエンターテインメント「スノーボードマスターズ」とは?
text by

秋月透馬(文藝春秋)Toma Akizuki
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/06/27 17:00
1億部作家・東野圭吾氏が発起人で“日本一上手いスノーボーダー”を決める『スノーボードマスターズ(SBM)』。第5回大会の模様をレポートする
「北海道から遠征をして参加するので『勝ちたい』と思ってスタート地点に立つのですが、いつのまにか仲間とのセッションを愉しんでいる。SBMはそんな大会でした」
前回大会に続いて優勝賞金200万円を掴んだ。
「前回は優勝賞金でカナダに向かいましたが、今回は5月に生まれる長女のおむつ代にさせていただこうかな。東野先生、有難うございます」と優しく微笑んだ。
「私にとっては最高の夢でした」(東野圭吾)
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2018年にスタートし、途中コロナ禍により縮小開催もあったが、第5回大会までを振り返りつつ、東野氏は選手たちにこう語りかけた。
「忘れもしない第1回大会の初日のことです。バンクドスラローム競技のときに、ガスがひどくて視界がまったく無かったんですが、そのなかでも選手たちがすごい滑りを見せてくれました。あとで選手やスタッフに聞いたら『いつもこんな感じですから! SBMという大会に参加できるだけで嬉しい』と言ってくださって、続ける励みになりました。
そこから天候にも恵まれて、今大会は集大成というくらい晴れ渡ってくれました。これはやっぱり、誰かの日ごろの行いが良かったのだと。その誰かは『ここにいてくださる皆さん』ということにしておきましょう」
この瞬間、会場には笑顔が溢れた。
大会が始まった2018年は東野氏にとって、いろいろな出来事があったのだという。
「何かを残したい」「恩返しをしたい」という想いで始めたSBM。会場から「これまで有難う!」「もっと続けてほしい」という声が聞こえるなかで、東野氏はこう締めくくった。
「スノーボードマスターズは、選手の皆さんにとって『とてもいい現実』だったかもしれません。私にとっては『最高の夢』でした。夢が叶いました。有難うございました」
いまや知らぬ人のないベストセラー作家、東野圭吾。
小説好き、ミステリ好きなら、その読書人生を変えた一冊、絶対に忘れられない一冊、受け継ぎたい一冊があるはずです。
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