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1億部作家・東野圭吾が雪山に仕掛けたエンターテインメント「スノーボードマスターズ」とは? 

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秋月透馬(文藝春秋)

秋月透馬(文藝春秋)Toma Akizuki

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2025/06/27 17:00

1億部作家・東野圭吾が雪山に仕掛けたエンターテインメント「スノーボードマスターズ」とは?<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

1億部作家・東野圭吾氏が発起人で“日本一上手いスノーボーダー”を決める『スノーボードマスターズ(SBM)』。第5回大会の模様をレポートする

ジャンプ、カービング、スタイル、スピード――すべてを求められるSBMの採点基準

 今大会も競技は2種目で行われた。コース内に設置されたアイテムでジャンプやスラッシュ、ナックルなどのトリックを行いながら、同時にカービングのスキル、ライン取りの独創性などを競い、それらを採点される「フリーライド・パフォーマンス」と、急斜面かつ、立体的な「バンク」の内側に設けられた、複数の旗(旗門)をターンし、滑走のタイムを競う「オブスタクル・スラローム」。2日間にわたって2種目に挑み、その総合点で優勝が決まる。

優勝した本多未沙「私のスノーボードが肯定されたようでうれしい」

 女子の部で優勝したのは、前回大会で2位だった本多未沙。2025年JSBA全日本テクニカル選手権で1位となり、万全の状態で大会に臨んでいた。

 優勝スピーチで「私のスノーボードが肯定されたようでうれしい」と語った本多は、小学2年のとき、室内スキー場「ららぽーとスキードームザウス」で、スノーボードを始めたという。ハーフパイプでオリンピックを目指し、ジュニア世界選手権大会で4位まで上り詰めるも、あと一歩で五輪切符を掴めなかった。

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「オリンピックに行けなかったことは私にとって挫折でした。その後、ハーフパイプからカービング競技に転向したのですが、『これって中途半端なのかな?』と自問自答したこともありました。でも、この大会ではハーフパイプもカービングどちらも採点の対象で、その結果、優勝することができた。私のスノーボード人生を『これで良かったんだよ』と認められたようで、とても嬉しくて…」

 初日、2日目ともに各部門で1位を譲らず、女子では大会初の「完全優勝」を果たした本多は、スノーボードが一番上手い女子選手となった。

カービングギャル・吉村美乃梨がみせたテクニック!

 女子の部の2位は、吉村美乃梨。高校卒業後、アルバイトをしていたときに「19歳限定でリフト券が無料になるキャンペーン」を知り、初めて新潟県の苗場スキー場を訪れた。

 その後、住み込みのバイトをしながら、ひたすらスノーボードに向き合った。SAJ全日本技術選手権で頭角を現し、3連覇を果たす。

 五輪競技への挑戦を勧められたこともあったが、スノーボードが上手くて、オシャレでかわいいという自らのスタイルを貫いた。今では「カービングギャル」の愛称で親しまれ、Instagramのフォロワーが4万人を超えるインストラクターとして活躍。スノーアパレルブランド「MFAVY」も立ち上げている。

【次ページ】 アルペンの期待の星、杉本志功が波乱を起こした!

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