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大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
大谷翔平の登板前日、取材陣がザワついたドジャース監督“ある一言”「急展開を心配する論調も…」“誰も予想できなかった”663日ぶり投手復帰の舞台裏
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斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byGetty Imgaes
posted2025/06/21 11:03
投手復帰となった6月16日のパドレス戦、気合の入った表情の大谷翔平
監督が明かす「ショウヘイの話をよく聞こうと…」
試合開始の4~5時間前にライブBPを行い、打者で出場するのは負担が大きい。それなら、球数とイニングを増やしていく作業を投打の同時出場でやっていくのはどうかという考えから、二刀流復帰が急速に早まった。ロバーツ監督は「球団としては(二刀流復帰までのプロセスは)初めてのことだが、ショウヘイただ1人が(二刀流復帰を)経験しているし、彼の話をよく聞こうと思っていた」とも言っていた。
通常の投手や打者であれば、故障から復帰までの最適なプランやスケジュールは、これまでのサンプルを基に考えることができる。一方で大谷の歩む道は、前例がない。調整の仕方やリハビリのプロセスにしても、独自色が出てくるのは当然だろう。打者出場と並行しながらであれば、なおさらだ。
3月、投球プログラムにブレーキをかけたのは昨年手術した左肩の状態を考慮し、打者開幕に集中するためだった。7月中旬頃の予定から大幅に早まった復帰も、打者大谷にかかる負担を踏まえての判断。投手、打者のいずれかが欠けては大谷らしさが発揮されない。二刀流だからこそ、予想できない驚きが生まれる。
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続くドキュメント後編では、迎えた復帰登板当日の“異様な光景”、そして試合直後に大谷が本心を打ち明けた“7分間の会話”が明かされる――。
