大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER

大谷翔平の登板前日、取材陣がザワついたドジャース監督“ある一言”「急展開を心配する論調も…」“誰も予想できなかった”663日ぶり投手復帰の舞台裏

posted2025/06/21 11:03

 
大谷翔平の登板前日、取材陣がザワついたドジャース監督“ある一言”「急展開を心配する論調も…」“誰も予想できなかった”663日ぶり投手復帰の舞台裏<Number Web> photograph by Getty Imgaes

投手復帰となった6月16日のパドレス戦、気合の入った表情の大谷翔平

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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エンゼルス時代から663日ぶりの先発復帰を果たした大谷翔平。その日のドジャースタジアムの熱狂は、「今までに見たことがない、異常な光景」だった――。現地で取材を続ける斎藤庸裕氏による、“投手・大谷の舞台裏”ドキュメント第1回《全2回/後編に続く

 ドジャース大谷翔平投手(30)が6月16日(日本時間17日)のパドレス戦、投打で同時出場するリアル二刀流としてプレーした。23年8月23日以来、663日ぶりに先発マウンドに上がることが球団公式X(旧Twitter)で発表されたのは、約24時間前。まさに電撃復帰だった。

取材陣をざわつかせたロバーツ監督の“あるひと言”

 風向きが大きく変わったのは6月15日、日曜日のジャイアンツ戦の試合前だ。デーブ・ロバーツ監督の“あるひと言”から、取材現場が一気にざわつき始めた。同監督は、週明けにも行われるライブBP(実戦想定の投球練習)について次回が最後になるかとの問いに「Possibly(おそらくね)」と言った。この発言で、6月中に復帰する可能性が高まったことを各メディアが続々と報じた。

 さらに憶測が飛び交う。大谷は前日14日の土曜日にブルペン入りし、調整した。通常は実戦登板の2日前に行う。つまり、前回から中5日で16日の月曜日にライブBPを行うなら、再び中5日で22日、本拠地でのナショナルズ戦で二刀流が復活するのではないか。急展開を心配する論調もあった中で、スポーツ専門局ESPNの記者がXで「今週中に投げる可能性が高い」とつづった。

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 つまり、ブルペン投球は“本番”の2日前だったのか。だとすれば、二刀流復帰は月曜日のパドレス戦。いきなりそんなに復帰が早まるのか……。半信半疑だった中、ジャイアンツ戦の試合後、再び大谷の復帰時期を問われたロバーツ監督は「ここ数日中に彼は投げる」と話すにとどめた。取材終了は午後7時15分。その15分後の午後7時半、球団公式Xが大々的に発表した。

【次ページ】 投手復帰時期は、なぜ何度も変わったのか?

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