箱根駅伝PRESSBACK NUMBER

「不思議な縁で」卒業後も同じ実業団に…青学大2014年同期・中村祐紀は「マラソンにも勝てて悔いなく引退」田村和希は「僕もやめるなら同じ境地で」 

text by

佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

PROFILE

photograph byTadashi Hosoda

posted2025/06/19 17:02

「不思議な縁で」卒業後も同じ実業団に…青学大2014年同期・中村祐紀は「マラソンにも勝てて悔いなく引退」田村和希は「僕もやめるなら同じ境地で」<Number Web> photograph by Tadashi Hosoda

卒業後に同じ住友電工に進んだ「青学2014年組」の中村祐紀と田村和希。中村が今年引退し、同期で競技をつづけるのは田村だけになった

 五輪や世界陸上への挑戦が落ちついた後は、どうするのだろうか。田村のスピードがあれば、これからマラソンに移行すると逆に結果が出るのではないかと思うが、本人はマラソンにこだわりはないという。

「僕はトラックはトラック、マラソンはマラソンで分けて考えているので。トラックでハイスピードを出して、そこを踏み台にしてマラソンに行くというのはないかなと。日本人はマラソンが好きですが、僕はトラックでのタイムや五輪に出るという目標があって、それを成し遂げたい。まずはそっちを先にやらないといけないですね」

同期で現役を続ける最後のひとりとして

 田村は今年4月、目標のひとつである東京世界陸上の出場をかけて、20年以来の日本選手権10000mに出場した。大雨の中、序盤から離れる展開になり、参加標準記録には及ばず、30分15秒97で18位に終わった。

ADVERTISEMENT

 しばらく両手で顔を覆い、動けなかった。

「常に自分の立ち位置をちゃんと確認して、今いる位置が低いところだとしても、そこに対して目を背けてはいけないと思います。自分の結果に目を背けた時は引退だと思うので、良い結果、悪い結果に目を背けずに前を向いて進んで、結果を求めていく。それが自分のマインドであり、プロの選手だと思っています」

 2020年にドン底に落とされた。あとは這い上がるしかない。そういうチャレンジができる同期は、もう誰もいない。青学大時代の田村と中村の同期13名は、誰ひとりとして退部しなかったが、今も現役で走っているのは田村だけである。

〈全3回の3回目/はじめから読む

#1から読む
大学4年間で箱根駅伝初優勝から4連覇「青学大2014年組」中村祐紀と田村和希の出会い「同期の中でバチバチに」「アイツはすごく尖っていた(笑)」
この連載の一覧を見る(#1〜3)

関連記事

BACK 1 2 3 4 5
#青山学院大学
#原晋
#田村和希
#中村祐紀

陸上の前後の記事

ページトップ