原晋監督が叱責「嫉妬が積み重なって…」「あぁ、自分の箱根は終わった」箱根駅伝4連覇・青学大“2014年組”「駅伝男」と「8掛け男」の熱い4年間 

中村の3年「田村に嫉妬が積み重なって…」

　2年の箱根で9区7位に終わった中村は、3年生になって、その悔しさを晴らそうと箱根だけを見て足を磨いていた。その結果、全日本の出走のチャンスを掴み、7区に起用された。しかし、結果は区間5位。もうひとつ強さをアピールすることができなかった。

「全日本は順位も内容的にも良くなくて、やらかしてしまった感じでした。全日本でそうなると、どうしても箱根（のメンバー入り）が厳しくなってしまいます。監督は、どの選手にもチャンスを与えてくれますけど、与えられた時に実力を発揮できないのは自己責任になり、そこで次から使ってもらえなくなるので、箱根は厳しくなったと思いました」

　状況は厳しくなったが、諦めるわけにはいかなかった。同期の田村はこの秋に絶好調で、出雲、全日本でも結果を出していた。

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「悔しかったですね。ここでうまくいって、また次も走るんか、みたいな嫉妬がどんどん積み重なっていきました。でも、競技者はそういうギラギラしたものをもっていないとダメだと思うので、そこは譲れなかったですね」

学生時代を回想してくれた中村　©Tadashi Hosoda

あぁ、これで箱根は終わった

　箱根駅伝の数日前、全日本の後に感じた予感が的中した。区間配置でリベンジの9区ではなく、10区に名前が入った。

「あぁ、これで箱根は終わったなと思いました。当日変更するのは、わかっていたので。でも、誰にも言えないし、ほんと悔しさしかなかったですね。認められているシステムで作戦上、必要なのはわかりますけど、実際に置かれた身としてはタチの悪いシステムだなって思いました。当日変更された選手はみんなそう思っていると思います」

　それでも出走する可能性はゼロではなかったので、気持ちだけは切らさずにいた。しかし1月3日の朝、その10区にはキャプテンの安藤悠哉が入り、青学大は大学史上初の3冠を達成した。中村は、遠くで歓喜の姿を眺めていた。

　4年生になった中村は、最上級生として、また弟の友哉が入学してきたこともあって、チームを見るようになった。全日本前、メンバー選考で重要な位置づけになる学内TT（タイムトライアル）では初めて5000m13分台を出し、ダントツのトップで走り抜けた。

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