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「長嶋さんの服は亜希子さんが選んで…」長嶋茂雄夫妻と2週間の“仕事旅行”…元フジテレビアナが見た「長嶋さんと亜希子さんの仲睦まじい関係」
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生島淳Jun Ikushima
photograph bySankei Shimbun
posted2025/06/19 11:02
巨人監督時代の長嶋茂雄
長嶋さんはワールドシリ―ズに先立って、アメリカン・リーグ、ナショナル・リーグのチャンピオンシップシリーズを見に行ったのだ。
「ヤンキース対アスレティックスをニューヨークで見て、その後にモントリオール・エクスポス(現・ワシントン・ナショナルズ)とドジャース戦を、カナダのモントリオールまで見に行ってから、ワールドシリーズ第1戦が行われるニューヨークに戻ってきたんですから。結果的にドジャースとヤンキースの対戦になり、最高の顔合わせが実現しました。ドジャース贔屓だった長嶋さんは、この対戦を喜んでいました」
長嶋の現役時代、1961年、1967年、1971年、そして監督なってからの1975年と、巨人はフロリダ州のベロビーチで、ドジャースと一緒にキャンプを行っていた。
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「長嶋さんにとってメジャーといえば、ドジャースのことを指していました。当時のドジャースはオマリー家がファミリー経営をしていた時代で、温かみがありました。それは取材をしていても感じましたよ。きっと、長嶋さんはオマリー家から日本のスーパースターということで、歓待されたでしょうから、ドジャースにシンパシーを感じるのは自然なことだったでしょう」
長嶋さんが繰り返した「放送席から見た限りでは…」
長嶋の解説は、現場から離れてさほど時間が経っていない野球人のものだった。
「第1戦の最初のプレー、ドジャースのデイビー・ロープスの三塁線の強烈なライナーを、ヤンキースのサード、グレグ・ネトルズが横っ飛びで好捕しました。私は4年間、メジャーリーグの中継をしましたが、そのなかでも一、二を争うファインプレーです。すると長嶋さんが、『試合前にロッカーでネトルズのグラブを見ましたが、体のわりに小さいんです』という話をするんです。これは素晴らしい話でした。スタッフからすれば、あの長嶋さんが自ら取材をして、それを解説で披露してくれる。最高でしたね」
ワールドシリーズが進むにつれ、岩佐さんは長嶋の解説者としての「スタンス」が見えてきた。


