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山本由伸を“ドラフト指名しなかった”西武の理由「このレベルなら毎年出てくるだろう」源田壮亮もいた9年前のドラフト会議、渡辺久信が明かすウラ側

posted2025/12/17 11:01

 
山本由伸を“ドラフト指名しなかった”西武の理由「このレベルなら毎年出てくるだろう」源田壮亮もいた9年前のドラフト会議、渡辺久信が明かすウラ側<Number Web> photograph by Getty Images

ドジャースのワールドシリーズ連覇に大きく貢献した山本由伸

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渡辺久信

渡辺久信Hisanobu Watanabe

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選手、コーチ、監督、フロントとして西武ライオンズの栄光と苦悩を20年にわたり経験してきた渡辺久信。その渡辺がシニアディレクターとして球団フロントにいた2016年ドラフト会議、指名選手決定のウラ側とは。渡辺が野球人生を回想した書籍『獅子回顧録』(カンゼン)から一部抜粋して紹介する。〈全2回の2回目/第1回へ〉

 2位で指名したのが、白鴎大の大型右腕・中塚駿太。当時191センチ102キロの体格で、「いずれは160キロ出ます」とスカウト陣が惚れ込んでいた。化けたら面白い、ロマンの塊である。私も実際に見に行ったが、たしかに素材は抜群。もう少し下の順位で獲れたかもしれないが、他球団の動きも気になっていた。残念ながら、プロではコントロールに苦しみ、在籍4年間で一軍登板は9試合に終わった。

「プロで変わった…」挙げた選手の名前

 最近は「ロマン型」という言葉が定着しているが、体が大きくて、球は速いが、コントロールに課題があるピッチャーの評価ほど難しいものはない。指名する方もリスクを感じながらの判断になる。プロのストライクゾーンは、アマチュアとは比べ物にならないぐらい狭く、その中で勝負していくにはスピードだけでは無理があり、変化球の精度も必要になる。高校生であれば、まだまだ時間はあるので、コントロールが良くなっていく可能性はある。これが、大学生や社会人になるとある程度、ピッチャーとしての練習を重ねてきたわけで、プロになってから大きくコントロールが改善されるのは難しいようにも感じる。

【次ページ】 源田チェックのために二軍戦を組んだ

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