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ケガ人続出ドジャースでベッツの「薬指骨折」が批判されないワケは? 米老舗スポーツメディア「公平な批判は遠慮なくするが…」日米報道の“差”
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byGetty Images
posted2025/06/06 06:01
5月末に自宅でのアクシデントで左足薬指を骨折したドジャースのムーキー・ベッツだが、わずか4試合の欠場だけで試合に復帰した
あるいは、今は横浜DeNAベイスターズで活躍するトレバー・バウアーが起こした「ドローン事件」も象徴的だ。2016年、アメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS)直前にドローンを整備中、突如動いたプロペラで右手小指を切り、10針を縫う大ケガ。ALCS第3戦では強行出場するも、血が止まらず21球で降板した。
だが米メディアは「奇妙だが彼の科学オタク気質が災いした形」と表現し、他にも「馬鹿げてはいるが、好奇心が裏目に出ただけ」と伝えるなど、あくまで“人となり”と“過失”を前提にした報道が貫かれた。
ただ、バウアーのドローン事故はその後のプレーに影響を与えたことも、いくつかのメディアで指摘されている。
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強行出場したALCSでは21球で降板、ワールドシリーズでも2敗を喫し、「ポストシーズンでの不振の要因に“ドローン事故の影響があった”」とする論調も少なくなかった。ドローン負傷という奇妙な出来事は当初「悪意なき過失」として受け止められたハズだったが、最終的に「チームの敗因」と結びつけられたことで批判の対象となっている。
なお、バウアーはこの後、別の騒動をきっかけにMLBを離れることになるが、それは本稿の主旨とは異なるため、ここでは触れないでおく。
「規定違反」には厳しい批判も…
その反面、「笑い話」で済まないケースには容赦ない。
NFLのWRプラキシコ・バレス(元ニューヨーク・ジャイアンツほか)はナイトクラブで誤って自分の足を拳銃で撃ち、即チーム解雇と1年出場停止、さらに2年の実刑判決を受けた。また、MLBのアーロン・ブーンは、契約で禁止されていたバスケットボールで前十字靭帯を断裂し、当時所属していたヤンキースから即座に解雇されている。

