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「日本でいちばん大きい種馬です」ウインバリアシオンは“青森”の救世主になれるのか?「ダメならダメで、とりあえず声をかけてみよう」
text by

江面弘也Koya Ezura
photograph byKeiji Ishikawa
posted2025/06/02 17:00
スプリングファーム(青森県十和田市)の佐々木拓也氏とじゃれあうウインバリアシオン
ウインバリアシオンはハーツクライの初年度産駒で、血統的な魅力があった。重賞2勝、GI2着4回と成績も立派だ。ダービーと菊花賞も2着だったが、負けた相手は三冠馬オルフェーヴルである。ダービーのときは、いまも傷跡が残っているほどひどい裂蹄(蹄のひび割れ)で、不良馬場のなかでオルフェーヴルを追っていた。
佐々木さんたちは「だめならだめで、とりあえず声をかけてみよう」と関係者に連絡し、種牡馬としてのオファーをいれた。
「そしたら、国内はもちろん、韓国とオーストラリアからもオファーがきていますと。韓国やオーストラリアに勝てるわけないし、北海道のスタリオンはお金を持っているから、半ばあきらめていたんです」
いざ買うとなると、様々な問題が…
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ところが、しばらくして佐々木さんの元に「青森に行く」と連絡がはいる。韓国とオーストラリアは破談になり、北海道もなくなったということだった。しかし、いざ買うとなると、様々な問題が生じた。共同で買うはずだった人たちが、ひとり抜け、ふたり抜けしていく。金銭面を含めて、佐々木さんは頭を抱えた。
「荒谷さんが『もう、やるしかないんだから、馬はうちに置こう』と言ってくれたんです。種馬もいたことがあるから」
荒谷牧場は種牡馬を置いていたこともあり、ダービー馬フエアーウインもここで種牡馬生活を送っていた。だが、問題はだれが買うかだった。そのとき、佐々木さんが信頼を寄せる人物から言われた。
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