プロ野球PRESSBACK NUMBER
原辰徳が激怒「何のサイン出してんだ!」ヘッドコーチが監督室に呼ばれて…岡崎郁が明かす“原政権のウラ側”「東京ドーム使用料…練習で800万円」
text by

岡野誠Makoto Okano
photograph bySankei Shimbun
posted2025/06/01 11:01
2011年から2シーズン、巨人ヘッドコーチとして原辰徳を支えた岡崎郁(右)
「ありがたいですよね。『他のコーチの前ではやりづらいこともあるだろうから、この部屋を使っていいよ』とも言ってくれました。でもね、監督室は嫌ですよ。だって、社長室を使っていいと言われて、社長室で仕事しますか? あんな息苦しい酸素の薄い場所ないですよ」
原辰徳の激怒「お前は何のサインを!」
普段は穏やかな若大将も、野球に関しては別だった。試合後、監督室で2人きりになると、原は岡崎を叱る日もあった。
「下手な負け方すると、激しいですよ。バーンって机を叩くし、罵声を浴びせられました。隣がコーチ室だから、敢えて怒ってる面もあると思う。他のコーチにも聞こえますから。年に2、3回ありましたね」
ADVERTISEMENT
ある試合後、苛烈な叱責に遭った。原因は、“満塁スクイズ”だった。ベンチのなかで原は手を後ろに回し、岡崎に「4」のサインを出しながら、指を左右に振った。
「4はスクイズで、4のまま横に動かしたらセーフティースクイズなんです。でも、満塁だからセーフティーはないと僕が勝手に判断したの。そしたらウエストされて、三塁走者がタッチアウトになった。その瞬間、後ろを振り返って、『何出してんだ!!』って怒鳴られました」
試合後、監督室に赴くと「お前は何のサイン出したんだ!!」と再び激昂された。
「『スクイズです』と言ったら、もう怒り狂ってしまって。これは落ち着くまで黙っているしかないなと」
2人が和解するまで
10分、20分……原の叱責は終わる気配がない。事情を知らない清武英利GMが「お疲れさまでした!」と気軽にドアを開けた。一瞬、空気が凍った。
〈つづく〉

