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「ボクは1年目から結果を残さないと…」甲子園最速158キロでプロ入り、寺原隼人が抱えた重圧の正体…記者が見た「松坂を超えた怪物」のおとなしい素顔
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2025/06/02 11:01
寺原隼人は4球団競合の末、ダイエーから1巡目で指名された
冷めないフィーバー…寺原が迎えた、プロ初登板の日
オープン戦のチケットも爆発的に売れた。寺原の登板を見込んだ福岡ドーム(現名称・みずほPayPayドーム)初戦のチケットは発売から1時間半で完売した。
期待値は上昇するばかりで、フィーバーも冷める気配がない。ただ、それでもやはり高卒1年目のルーキーだ。ダイエー首脳陣は冷静に判断をしていた。当時、1軍投手陣を統括していた尾花高夫投手コーチは地元福岡ドームでの試合の日、寺原を呼んで二人きりの「アーリーワーク」を行った。
「ナイターの日の朝に尾花さんとキャッチボールをするところから始まって投内連係とかバント処理とか基礎練習を付きっきりでやってくれました」
開幕1軍メンバーからは漏れたものの、4月16日の日本ハム戦(東京ドーム)で寺原はプロ初登板を果たす――。《インタビュー第3回に続く》
