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獅子の遺伝子BACK NUMBER
「91敗より負けることはない」西武の歴史的低迷→今季快進撃の秘訣は西口文也監督の“飄々”強心臓?「僕、メンタル強いですよ(笑)」
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byWataru Sato
posted2025/05/24 11:02
昨季の大低迷から一転、今季は強力先発陣を中心に接戦を守り切る好調な戦いぶりを見せている西武・西口文也監督に話を聞いた
「うーん……仮にノーヒットでも130球を越えて10回までは行かせないと思うな。まだ春先だし長いシーズン、その記録のために無理することではない。もちろん、チャンスがあるならやらせてあげたい思いはあるし、本人が行くというなら考えるけどね。難しいな。監督って難しいですね(笑)」
理想の監督像
西口監督にとって、理想の監督像とはどんな存在なのか。
「選手としっかりコミュニケーションを取る。そこは大事にしていきたいと思います。選手とは野球の話だけじゃなく、しょうもない会話もしますよ。壁を作るのは、僕はあんまり好きじゃない。色々な人と話すことによってひょっとしたら好不調のヒントがあるかもしれないしね。
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あとは決断力というところは大事にしていきたいですね。試合の流れを読んで、色々イメージしながらも、こうと思ったら迷わず行きたい」
ライオンズ一筋21年。現役時代は5度のリーグ優勝を経験し、常勝軍団の空気を知る指揮官がいまのチームに求めるものは「切り替え」だと話す。
「勝っている時も、負けている時も、常に同じように試合に臨めるように。何連敗しようが、前の日のことは忘れて目の前の試合に向かっていく。それがプロの姿だと思います」
「メンタルは強いと思います」
西口監督自身、気持ちの切り替えはお手のもの。現役時代から今に至るまで「勝っても負けても全く引きずらない」とあっさりしている。趣味はNetflixで海外ドラマを見ること。最近のお気に入りは『THE BLACKLIST/ブラックリスト』だという。
「切り替えは大事。監督になって食欲が落ちるとかも全くないです。だって、げっそりする要素がないですから(笑)」
目を細めて笑うと、最後にこう言い切った。
「僕、メンタルは強いと思います」
まさに、柳に雪折れなし。飄々と、しかし強かに名門再建に挑む。
〈全2回の後編/前編から読む〉

