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獅子の遺伝子BACK NUMBER
「91敗より負けることはない」西武の歴史的低迷→今季快進撃の秘訣は西口文也監督の“飄々”強心臓?「僕、メンタル強いですよ(笑)」
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byWataru Sato
posted2025/05/24 11:02
昨季の大低迷から一転、今季は強力先発陣を中心に接戦を守り切る好調な戦いぶりを見せている西武・西口文也監督に話を聞いた
「持っている個性を大事にしてほしいなと思っていました。ピッチングフォームも、バッティングフォームも色々な形があるから面白い。(指導者側が)それがいいと思って全員に同じような指導をしてしまうと、その人の個性がなくなって、つまらないですからね」
野手の伸び悩みという問題
他方で、チーム全体としてはここ数年、若手野手が伸び悩んだことが大きな課題だった。二軍で結果を残し、いざ送り込んだ一軍でなかなか実力を発揮できない。すぐに二軍に逆戻りする若手の姿には忸怩たる思いもあったという。
「送り出す側としては、なんで一軍に行くと打てなくなるんだろう、自分のバッティングができないんだろう、っていう思いはありました。あんなに良かったのにダメかぁ、とね。
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もちろん色々な背景はありますけど、力を出しきれない選手がやはり多かった。掴み取るためにはまずそこで結果を出したりインパクトを残さないとその先には繋がらない。やはり、競争ですからね」
監督就任のプレッシャーは?
一軍は春先から低迷し、松井稼頭央監督は5月に休養。渡辺久信GMが監督代行を兼任して立て直しを図ったが49勝91敗3分けでパ・リーグ最下位に終わった。歴史的低迷を喫したチームの再建は容易ではないが、就任に際して重圧はなかったのか?
「プレッシャー? 僕、あると思いますか?(笑)」
笑い飛ばすと、こう続けた。
「昨年より悪くなることは、ないだろうって。言い方は悪いですけど、91敗してこれより負けることはない。あとはどうやって勝ちを増やしていけばいいかと考えて勝負してみたい、という気持ちが強くありました。ファーム監督をやってきて選手たちのポテンシャルは分かっている。ピッチャーはある程度いいので、野手が普通に打ってくれれば勝負できるとは思っていました」

