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野球善哉BACK NUMBER
いよいよ故障から復活へ「2024年のスーパールーキー」西武・武内夏暉が常に動じない理由…ファンだった柳田悠岐を抑えても「あまり吠えたくない」!?
posted2025/05/05 11:04

武内夏暉がピンチになっても抑えても変わらずにいられるメンタルの秘訣に特別インタビューで切り込んだ
text by

氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
Yuki Suenaga
「自分のパフォーマンスを出せればいけるなって思いました」
昨シーズン、プロ初登板で初勝利を挙げて順調に滑り出した西武のサウスポー武内夏暉は、登板4戦目のソフトバンク戦で8回無失点の好投を見せると、そう手応えをつかんだと話す。この試合で特に驚かされたのは、どんな場面でも動じずに淡々と投げ込んでいく姿だった。
柳田悠岐を抑えても喜ばず?
この日は6回表、2死三塁というピンチの場面で強打者・柳田悠岐を迎えたが、カーブを投げ込み空振り三振。グラブをパチンと叩いて引き上げていく姿は落ち着きはらって見えた。
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「いや、あれは僕の中では喜んだつもりなんですけどね」
ピンチを脱して大きく雄叫びを上げる投手の姿は珍しくない。チームのエース・今井達也であっても、8回を無安打に抑えて勝利を挙げた4月18日の試合では、何度も声を張り上げていた。気合いが入れば入るほど、それに伴う結果が出た時には、気持ちが出る。至極当然のことだが、こと武内に関してはそんな素振りはない。
感情表現が上手くないというわけでもなく、プライベートではむしろはっちゃける性格だという。野球をプレーするときのみ、冷静沈着なのだ。「そういう資質なんですかね」と、本人は特に大したこととも捉えていない様子なのが、また武内らしいのかもしれない。
だからと言って、目標に対して遠慮気味というわけでもない。他の好投手との距離感を測りつつも、自分が負けるとも思っていない強気な姿勢も併せ持っている。
野球となると切り替えられる秘密は
幼少の頃からファンクラブに入っていたくらいのホークス好きだが、ホークス最大のスター柳田が相手でも、勝負に入るとそういった側面は全く表に出てこない。