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「ドジャースは何度も警告を無視した」佐々木朗希が故障者リストに…既報で感じた日米メディア“報道文化の違い”は?「1年目のアップダウンは当然」 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/05/20 06:01

「ドジャースは何度も警告を無視した」佐々木朗希が故障者リストに…既報で感じた日米メディア“報道文化の違い”は?「1年目のアップダウンは当然」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

5月9日(日本時間10日)のダイヤモンドバックス戦での先発を最後に負傷者リスト入りが発表されたドジャースの佐々木朗希

「佐々木離脱」の報に見る日米“報道文化”の違い

 注目すべきは、これらの批判は佐々木個人に向けられているのではなく、あくまで球団の起用判断や負荷管理システム、選手と監督コミュニケーションの甘さを問題視している点だ。個人ではなく、組織に責任を問う姿勢。それはアメリカの報道文化を象徴するものかもしれない。

 対して日本の報道は、すべての報道が否定的というわけではないがやや個人への厳しさが先行した。

 佐々木はかねてから「類稀な才能と引き換えの繊細さ」を指摘されてきた。ロッテ時代の5年で登板回数が20試合を超えたシーズンは2022年の一度だけで、通算投球イニングも394回2/3にとどまる。

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 昨年も右上肢のコンディション不良などで離脱し、投球回数は111イニング止まり。自身初の2けた勝利を挙げたものの、「日本で圧倒的な成績を残した」とまでは言い切れない。そんな背景もあり、紙面やネット上では「メジャーで通用せず“期待外れ”」「球威が落ち、制球もバラバラ」といったような見出しが並び、否定的な記事も目立った。

 佐々木は、IL入りする前の最後の登板となったアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で平均94.8マイル(約152.6キロ)の速球を投げたが、これは過去のシーズン平均を1マイル以上下回っていた。結果的にこの試合では4イニングで5安打5失点、メジャーキャリアで初めて三振をひとつも奪えなかった。

【次ページ】 安定感を欠いたここまでの登板内容

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