メジャーリーグPRESSBACK NUMBER

米老舗メディアも「A+の評価に値する」と絶賛も…ドジャース・佐々木朗希の“魔球”が輝く条件は?「NPBでは見られなかった制球の乱れが…」 

text by

一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

PROFILE

photograph byJIJI PRESS

posted2025/05/02 06:01

米老舗メディアも「A+の評価に値する」と絶賛も…ドジャース・佐々木朗希の“魔球”が輝く条件は?「NPBでは見られなかった制球の乱れが…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

他の投手と比べても図抜けた特徴を持つロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希のスプリット。その「魔球」をピッチングに活かすことはできるか

 一方で、フォームを整え、“魔球”スプリットを「勝負できる武器」へと磨き直すことができれば、「日本時代より遅くなった」と揶揄される球速は、もはやメジャーで勝つための絶対条件にはならない。

 今季、佐々木がここまで変化球で許した被安打はわずか6本。しかもすべて単打か二塁打で、本塁打はゼロだ。

 高校時代に163キロという規格外の数字を記録した衝撃も相まって、日本での佐々木はパワーピッチャーのイメージが強かった。だが、実は変化球のクオリティが高いことも上述の数字からは明らかだ。

ADVERTISEMENT

 メッツの千賀は今季からシンカーも取り入れ、“お化けフォーク”とのコンビネーションで決め球の威力をさらに引き上げた。佐々木もここのところの登板で投球頻度が増えているスライダーを使ったゾーン内での駆け引きが確立できれば、“魔球”スプリットの見極めはさらに難しくなる。

「魔球」を支配できるようになるのは?

 もちろんそもそもの制球力の向上は大前提だが、ゾーン内で使える球が増えれば、スプリットはただの“見せ球”ではなく勝負を決める“本物の武器”になる。

 問題は、いつ“魔球”を支配下に置けるかだ。それにはゾーンを突く術、ストライク先行の感覚、そしてマウンドを支配する意志が必要だ。

 スプリットという武器を秘めた怪物は、いま牙を研いでいる。勝てないのではなく、勝つための準備をしていると言えるのかもしれない。

#1から読む
「ササキ本人もどこに行くのか分かっていない」勝てないドジャース・佐々木朗希…苦しむ制球難の遠因は“お化けフォーク”越えの「ヤバすぎる魔球」?

関連記事

BACK 1 2 3 4
#佐々木朗希
#ロサンゼルス・ドジャース
#デーブ・ロバーツ
#ポール・スキーンズ
#菅野智之
#山本由伸
#大谷翔平

MLBの前後の記事

ページトップ