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体操・杉原愛子25歳、“異例の復活劇”はなぜ起こった? 日本代表入りから“10年目”…トップで活躍し続ける理由「自分の楽しい体操を、みんなに」
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2025/04/23 17:01

体操の全日本個人総合選手権で2位に入った杉原愛子
「日本にはほぼいない」杉原が打ち破る“ある価値観”
日本ではまだ珍しい、“休息タイム”を取ることで長く競技生活を続ける姿を示したいという意識もある。
「海外には1年休んで復帰する選手が結構多いが、日本にはほぼいない。そういう価値観を打ち破りたいという思いもあるし、そうするには休む勇気も大事だということも伝えていきたい。ひと区切りした(時期があった)からこそ復活できたと思っているので、それを発信していくことで、現役選手や次世代の子たちが長く体操競技を続けられるようになるための道しるべになっていければいいと思っている」
以前からこのように話していた杉原にとって、今回はいわば有言実行の好成績と言える。
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次は5月16日から始まるNHK杯。杉原は「NHK杯では0.1点をもっともっと拾えるように修正して、最後のゆかでは笑顔で終われるように頑張りたい。優勝を狙いに行き過ぎず、自分の楽しい体操をみんなに見てもらって、楽しく演技できるように。そうしたら結果もついてくると思う」と意気込んでいる。
高校1年生だった15年にNHK杯で初優勝を飾って初の世界選手権代表となってから今年でちょうど10年。ブランクを挟み、東京五輪以来となる世界の舞台に再挑戦している杉原の第2章にワクワクさせられている。

