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「大学ではお姉さんタイプかな…でも実際は末っ子(笑)」パリ五輪辞退から1年、チームで慕われる宮田笙子(20歳)の現在「また一番になりたい」
posted2025/07/24 11:02
2024年の経験を経て、新たな挑戦の道を歩み始めた女子体操・宮田笙子(20歳)のインタビュー(最終回/全3回)
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Asami Enomoto
激動のパリ五輪出場辞退から1年が経った。行動規範に違反するナショナル合宿中の飲酒、喫煙を猛省し、再び立ち上がった体操女子の宮田笙子(順天堂大学)が、不安や葛藤を抱えながらも真摯に競技と向き合ってきたこの1年間の思いを率直に語った。《NumberWebインタビュー第3回/第1回、第2回から続く》
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パリ五輪に出場した“4人の仲間たち”への本音
女子キャプテンを務める予定だった宮田笙子(順大)が抜け、メンバーが5人から4人に減ったパリ五輪の体操女子団体。試合では岸里奈、岡村真、中村遥香、牛奥小羽の10代カルテットが、宮田からもらったカラフルなヘアピンをつけて試合に臨んだことが話題になった。
4人はレオタードの色に合わせて予選では赤と白、決勝では青と白のラインストーンのついたおそろいのヘアピンをつけていた。入場時の選手紹介の際に、宮田のゆかの演技の決めポーズをしたことも多くのニュースで取り上げられた。
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「嬉しかったですね。みんなとは仲が良いし、本当にいい子たち。今年の全日本選手権やNHK杯では、班は違ったけど最後に5人で一緒に写真を撮ってそれぞれSNSに上げて、またみんなで頑張ろうね、という思いになっています」
同い年の牛奥をのぞけば、3人が宮田より年下だ。
「次の世代を引っ張っていくメンバーになっていくと思うので、みんなで尊重し合いながら、切磋琢磨しながらやっていきたいです」そんなふうに語る表情はお姉さんのようでもある。
「気持ちの部分で大人に」チームでも慕われる現在
実際、復帰後の宮田は「気持ちの部分で大人になった」と評されるようになっており、順大女子体操競技部の原田睦巳監督も、「宮田には応援してくれている人、見に来てくれている人のために演技をしたいという気持ちがあるように見える。いろいろな人に配慮できるようになってきた」と語っていた。
それは宮田も自覚していることである。


