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涙のドジャース佐々木朗希、不振のナゼ「球速・回転数不足+スプリットのストライク率24.1%」で窮地…対照的な「無四球好投」は今永昇太と誰? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHarry How/Getty Images

posted2025/04/02 17:22

涙のドジャース佐々木朗希、不振のナゼ「球速・回転数不足+スプリットのストライク率24.1%」で窮地…対照的な「無四球好投」は今永昇太と誰?<Number Web> photograph by Harry How/Getty Images

メジャーデビューから2試合、制球に苦しんでいる佐々木朗希。本来のポテンシャルを放つ時は来るか

【3月29日タイガース戦】
1回
マッキンストリー 左前打
グリーン 空三振
トーケルソン 左前打
カーペンター 遊飛
キース 四球
マーゴット 投安打 失点
スイーニー 押し出し四球 失点
ロジャース 三ゴロ
2回
クライドラー 四球
(暴投 クライドラー二進)
マッキンストリー 見三振
グリーン 遊飛
トーケルソン 四球
投球数61球 ストライク32球/率52.5%

・球種別データ
フォーシーム33球(54.1%)ストライク21球/率63.6% 被安打3
平均球速 154.7km/h 平均回転数2057rpm
スプリッター14球(23.0%)ストライク4球/率28.6% 被安打0
平均球速 135.8km/h 平均回転数514rpm
スライダー14球(23.0%)ストライク7球/率50.0% 被安打0
平均球速 133.1km/h 平均回転数1857rpm

最速が155.9キロ、スプリッターのストライク率も

 2回途中、61球で降板。その後ベンチでは目頭を赤くする姿もテレビカメラに収められた。フォーシームは155.9km/hが最速。100マイル以上は1球もなかった。昨年のロッテのときのように「安全運転」だったのかもしれないが、速球派投手の球速が落ちるのは気がかりだ。回転数も上がっていないから、球速以上に遅く見えている可能性がある。

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 タイガース打線は「スプリッターはストライクが入らないから見逃せ」という方針だったようで、フォーシームを狙い打ちされた。そこでスライダーを増やして投球の幅を広げようとしたものの、マネーピッチのスプリッターでストライクが取れないのでは(2戦合計で被安打0だが、29球中7球/24.1%)、佐々木の投球の組み立ては崩壊してしまう。捕手は2試合ともウィル・スミスで、強気の配球が佐々木に合わなかった可能性もある。

 スプリングトレーニングはわずか2試合7回投げただけ。準備不足のまま自分のペースをつかむことなく、2試合を経過した印象だ。次回は4月6日の敵地フィリーズ戦、ここで調子を取り戻せないと、ローテを外れる可能性があるのではないか。

「無理目のポスティング移籍」をした佐々木だが、もともと即戦力という評価ではなかったはず。調整期間をおいて、少しずつMLBの野球に慣れていく必要があるのかもしれない。

MLB日本人成績まとめ:大谷は順調、好投は今永と…

 以下、他の日本人メジャーリーガーの成績(3月31日終了時点)を振り返ろう。

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