「え…DeNA→巨人の石川達也、左投右打なの？」左投左打の野手は数％…じつは知らないNPBデータ大調査「巨人とホークスは育成含めて100人超」 

　さらに育成枠の投手の比率が支配下よりも高い。あくまで育成枠は支配下枠のリザーブという位置づけであり、損耗度合いの大きい投手をより多く抱えたいという意向があるのだろう。

　ちなみに、育成枠だけで全ポジションの選手が揃っていて、チームを組むことが可能なのは三軍、四軍制を敷いているソフトバンク、三軍制を敷いている巨人、そして西武の3球団になる。

投打の右左：じつは投手に左投右打や両打が

　リーグ別、支配下、育成含む全選手の投打の右左について、投手、野手別に見ていく。

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〈セ・リーグ〉
投手260人
右投げ 170人／65.4％
右投右打 137人／52.7％
右投左打 32人／12.3% 
右投両打 1人／0.4％（DeNA・三嶋一樹）
左投げ 90人／34.6％
左投右打 3人／1.2％（巨人・石川達也、中日・マラー、育:三浦瑞樹）
左投左打 87人／33.5％
野手244人
右投右打 140人／57.4％
右投左打 86人／35.2％
右投両打 3人／1.2％（阪神・植田海、巨人育: 舟越秀虎、中日育: 加藤竜馬）
左投右打 0人
左投左打 15人／6.1％

〈パ・リーグ〉
投手290人
右投げ 213人／73.4％
右投右打：171人／59.0％
右投左打：39人／13.4％
右投両打：3人／1.0％（SB・村上泰斗、楽天・ヤフーレ、オ育・横山楓）
左投げ 77人／26.6％
左投右打 1人／0.3％（楽天・泰勝利）
左投左打 76人／26.2％
野手259人
右投右打 144人／55.6％
右投左打 99人／38.2％
右投両打 6人／2.3％（日本ハム・若林晃弘、楽天・田中和基、西武育・川野涼多、仲田慶介、ガルシア、澤田遥斗）
左投右打 0人
左投左打 10人／3.9％

　セ・リーグ投手の右、左の比率は65.4％：34.6％なのに対し、パ・リーグは73.4％：26.6％と、両リーグで比率が大きく違っている。これはDH性のあるなしと関係するのだろうか。

左投左打の野手は近本ら数％しかいない

　近年、投手が打席に立つ機会が減っているので、打席についてはほとんど考慮されない。しかし両リーグで右投両打の投手が4人、珍しい左投右打も4人いる。DeNAから巨人に加入し、先発ローテーション入りが期待される石川を筆頭に、打席に入った際には「えっ……左投右打なの？」と思うファンは多いかもしれない。

　NPB最多安打の張本勲、最多本塁打の王貞治はともに左投左打だった。昔は、左投左打の野手はたくさんいたのだが、左投げだと外野と一塁しか守れないので、プロ入り前に右投げに転向する選手が多くなっている。このため左投げの野手は阪神・近本光司らに限られ、両リーグともに数％になっている。

　右投左打は、野手では3割強を占める。イチローや松井秀喜、大谷翔平など成功事例が多いこともあり、左投左打ちや右投右打から転向する選手が多い。

　一方で両打に関しては、MLBでは史上最多安打のピート・ローズ、現役でもブレーブスのジュリクソン・プロファー、ガーディアンズのカルロス・サンタナなど、両打のスター選手がいる。かつてはNPBでも巨人の柴田勲、松永浩美（阪急、阪神など）といった両打の強打者がいたが、西岡剛（ロッテ、阪神）あたりを最後にめっきり見かけなくなった。

　今、両打の野手は9人だけ。一軍で見かけるのは阪神の植田海、楽天の田中和基くらいだ。しかし両打は会得すれば、投手の左右によって代えられることも少なくなる。西武の育成には4人の両打がいるが、これを強みにする選手が出てきてもいいのではないか。

　続いて、今季のNPB選手の「身体検査」も実施したい。〈つづく〉

#2に続く

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