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羽生善治と“藤井聡太の師匠”杉本昌隆が降級…順位戦衝撃の結末、さらに元A級棋士の懸念は三段リーグの異常性「昇段倍率が競争原理を超えている」 

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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posted2025/03/27 06:01

羽生善治と“藤井聡太の師匠”杉本昌隆が降級…順位戦衝撃の結末、さらに元A級棋士の懸念は三段リーグの異常性「昇段倍率が競争原理を超えている」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

会長職と兼務する羽生善治九段は、来期順位戦をB級2組で戦うのか

 フリークラスへの降級者(降級点を累積3回)は、3勝7敗の安用寺孝功七段(50)、長岡裕也六段(39)。2024年度順位戦の各クラスの昇級者と降級者は、前期と同じく「若強高弱」の傾向となった。前者の63%が20代・10代、後者の78%が50代・40代だった。

新四段の4人…一方で“異常な”三段リーグの昇段倍率

 最後に、2024年度に晴れて棋士になった4人の新四段を紹介する。

 獺ヶ口笑保人(おそがぐちえほと)・新四段(25)。三重県出身。2013年に森信雄七段(73)の門下で奨励会に入会。三段リーグは3期。群馬大学医学部の4年生で、将来は棋士と医師の両立を目指している。※2024年10月1日付で昇段。

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 吉池隆真・新四段(20)。東京都出身。2015年に室岡克彦八段(66)の門下で奨励会に入会。三段リーグは5期。2023年に加古川青流戦で準優勝した。※同上で昇段。

 齊藤優希・新四段(28)。北海道出身。2010年に深浦康市九段(53)の門下で奨励会に入会。三段リーグは14期。好成績をいつも挙げて次点にもなったことがある一方で、26歳の年齢制限の壁とも戦ってきた。1期ごとの勝ち越しで在籍を延長し、今期は新記録の17連勝を達成した。※2025年4月1日付で昇段。

 炭崎俊毅・新四段(16)。兵庫県出身。2019年に井上慶太九段(61)の門下で奨励会に入会。三段リーグは3期。16歳9カ月で四段昇段は10番目に若い。※同上で昇段。

 なお2024年度後期の三段リーグ(計44人)には、プロ公式戦の竜王戦で活躍している山下数毅三段(16)をはじめとして10代の三段が11人もいる。藤井七冠を追う若い勢力として、早く台頭してほしいものだ。それにしても昇段倍率が20人以上に1人とは、正当な競争原理を超えて異常だと思う。〈将棋特集:つづく〉

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