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「東大卒の両親、兄は京大生の17歳」「藤井聡太が“詰将棋早解きで勝てない”と脱帽」難関すぎる三段リーグ突破でプロに…4人の意外な素顔
posted2025/09/15 06:02
(右から)山下数毅、生垣寛人、岩村凜太朗、片山史龍の4人が難関の奨励会三段リーグを突破した
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田丸昇Noboru Tamaru
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Kyodo News
奨励会の第77回三段リーグ(2025年4月~9月)の最終2局が9月6日に行われた。四段昇段の枠は成績上位2人だが、次点(3位)の獲得やプロ公式戦の竜王戦での実績によって、初めて計4人が四段に昇段して棋士になった。新四段の年齢は17歳~22歳で、藤井聡太七冠(23)より若かった。将来はタイトル戦で藤井に挑戦するかもしれない彼らの将棋やプロフィールなどについて、田丸昇九段が紹介する。
三段リーグ最終日…1つの勝ち負けで明暗
三段リーグの最終日を迎えた時点で、四段昇段の有力候補は主に以下の5人だった。
岩村凛太朗(22位・19歳)13勝3敗 ※次点獲得
片山史龍(12位・21歳)12勝4敗 ※次点獲得
入馬尚輝(31位・24歳)12勝4敗
生垣寛人(8位・22歳)11勝5敗
北村啓太郎(20位・21歳)11勝5敗
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なお9勝7敗の山下数毅(6位・17歳)は昇段争いから外れていたが、以前の次点獲得と竜王戦での活躍による「合わせ技一本」で、フリークラス編入の形で四段昇段は内定していた。
対局前の時点で、四段昇段の最有力は岩村で、あと1勝すれば14勝で確定。片山はあと1勝で13勝しても、入馬や生垣が勝つと確定しない。ただ片山は岩村と同じく次点を獲得していて、3位以内に入れば次点2回となり、規定によってフリークラス編入の形で四段に昇段する。
午前の1局目で岩村が勝ち、四段昇段を決めた。片山も勝ったが、生垣も勝って12勝とし、2位・3位は確定しなかった。生垣の順位が片山より上位だからだ。入馬と北村はともに敗れて脱落した。
午後の2局目の昇段争いは、片山と生垣にしぼられた。片山が勝てば1位か2位が確定し、来期の順位戦C級2組に参加できる。片山が負けて生垣が勝つと、順位差によって生垣が2位となる。順位戦に参加か、フリークラスに編入か、この違いはかなり大きい。そして片山が黒星、生垣が白星という結果に。生垣は11回戦から8連勝して四段昇段を決めた。1局でも負けたらそれは成らなかった。
今回の三段リーグでの四段昇段者の成績は次の通り。

