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“二刀流”復活を目指す大谷翔平が「絶対に捨てたくないもの」とは? ブルペンで見せた“ある変化”「故障再発だけは避けたい、それでも…」 

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五十嵐亮太

五十嵐亮太Ryota Igarashi

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posted2025/03/18 17:01

“二刀流”復活を目指す大谷翔平が「絶対に捨てたくないもの」とは? ブルペンで見せた“ある変化”「故障再発だけは避けたい、それでも…」<Number Web> photograph by Getty Images

キャンプ地でブルペン入りする大谷翔平

 キャンプ中に大谷本人に「今後投手をしていくうえで、新しいピッチングスタイルを模索していくのか、それともいい時の自分の状態に近づけていくのか」という質問をしました。はっきりとした答えはありませんでしたが、そのやり取りの中で、「93マイルくらいのストレートだったら手術をしなくても投げられた」と口にしたのが印象的でした。

 やっぱり本人は100マイルに近いボールを投げることを望んでいるんですよね。三振をとる、バッターを抑えるために強いボールを捨てられない、となれば大きくピッチングスタイルを変えるという方向性は違うのかなと思います。

「常人にはできない」調整のステップ

 まずフォームをある程度改善して配球も変えていき、バッターの反応も見ながらバランスをとっていく。メリハリをつけるピッチングを意識するためには、このツーシームがポイントになってくると思います。その上で、その後三振をとりたいとなった時に、どんな球種を選択するのか。スプリットなのか、スイーパーなのか……。それは実際に打者と対戦しながら見極めていく作業になってくる。

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 二刀流の難しさは、投手として故障から復帰する過程でマイナーで調整登板をする、という段階を踏めないことです。いきなりメジャーのバッターに投げて自身の感覚を試していかなければいけない。同じ投手として、それを想像すると本当に難しい調整をしているのだなと実感します。

 投げながら、試しながらバッターの反応を見て調整を繰り返していく。普通には考えにくいような段階を踏んでいるわけです。今回の開幕シリーズでは残念ながら日本での凱旋登板は実現しませんでしたが、常人にはできない調整を繰り返して進む「投手・大谷」の復活の過程にこれからも注目していきたいです。〈「打者・大谷編」を読む〉

(構成=佐藤春佳)

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