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“二刀流”復活を目指す大谷翔平が「絶対に捨てたくないもの」とは? ブルペンで見せた“ある変化”「故障再発だけは避けたい、それでも…」 

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五十嵐亮太

五十嵐亮太Ryota Igarashi

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posted2025/03/18 17:01

“二刀流”復活を目指す大谷翔平が「絶対に捨てたくないもの」とは? ブルペンで見せた“ある変化”「故障再発だけは避けたい、それでも…」<Number Web> photograph by Getty Images

キャンプ地でブルペン入りする大谷翔平

2つの球種から分かる意図は…

 考えられるのは

 (1) 真っ直ぐのフォームで、そこまで大きな変化を加えなくても投げられるのがこの2球種である。

 (2) フォームを安定させていく中で投げやすい球種である。

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 (3) 体への負担を減らすために、変化球の割合を見直そうとしている。

 の3つが挙げられると思います。

 (3)について少し説明すると、大谷投手は21年、22年シーズンと比較して、23年シーズンにスイーパーを投げ始めてからは、明らかに肘の高さが下がっているんです。その良し悪しを問題にしているわけではなく、肘が下がっていたからこそあのボールを投げられていたということです。

変化したリリースポイント

 ところが今年のブルペン投球では、肘の高さが21年、22年シーズンと同じくらいまで上がっていました。高めのツーシームは伸びながら右バッターのインハイに食い込んでいく。逆に低めのツーシームは、メジャーでもトップクラスの落ち方をしている。威力のある2種類のツーシームが投げられているということは、リリースポイントを高くした効果なのかなと思えました。

 二刀流として復活した後のことを考えると、怪我を繰り返すことだけは絶対に避けなければいけません。そのために重要なのは体への負担を極力減らすこと。フォームが体に負担をかけているのならそれを改善しなければいけませんし、例えばスイーパーのような特定の球種が負担になっているのだとしたら、自身が操る変化球をもう一度見直す必要が出てくる。

復活のキーワードは「メリハリ」

 その辺りを考慮したうえで、23年とは違う変化球の割合で配球することも必要となってくるでしょう。球数を抑えるためにゴロに打ち取るようなピッチングをするとか、ここぞという場面では全力で投げて三振をとりにいくとか、試合展開や対戦相手によって、メリハリの効いた投球を目指していくのだと思います。

【次ページ】 「常人にはできない」調整のステップ

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