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「4試合連続日本新記録!」も…田中希実が明かした“焦り”「世界との差を感じています」「スピードを取り戻さないと勝つことは永遠にできない」 

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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photograph byShizuka Minami

posted2025/03/03 11:03

「4試合連続日本新記録!」も…田中希実が明かした“焦り”「世界との差を感じています」「スピードを取り戻さないと勝つことは永遠にできない」<Number Web> photograph by Shizuka Minami

米国での室内大会で4試合連続で日本記録を樹立した田中希実(25歳)が、その手応えと焦りを明かした

「自身とのスピードの低下と、世界との差を感じています。ただトータルタイムとしては、この時期に走れたことはないタイムを出せたので、余裕が持てるペースの地力は上がっていることが確認できました。とはいえスピードを持っている海外選手が続々とスタミナアップに努め出しているので、自分はスタミナ(練習)から手を離せない状態ですが、スピードを取り戻さないと本当の勝負の舞台で勝つことは永遠にできないと思います」

スピードとスタミナを同時にどう強化するか

 田中にとってこれまでも、これからも軸になるのは1500mだ。3分55秒あたりを狙うにはスピードが必要だが、スタミナと同時にどう強化していくかが課題になる。

 田中は自らを努力型と表現するが、ひたむきに努力し続ける力自体が天性の才能の一つのように見える。

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 体調管理に関しても同様で、これだけ移動を繰り返し、多くのレースをこなしているにも関わらず、怪我がほとんどないのは自らの体を知り尽くし、痛みや違和感をトレーナーに言語化して説明できる能力があるからだ。

 田中の何よりの強みは、走るのが好きなことだ。

 泣きたいくらいレースで失敗しても、どんなに疲れていても、「走りたくないと思ったことは一度もない」と言う。

 進化の速度は他の選手よりも速くないかもしれない。だが、2019年から日本の女子中長距離を牽引してきた第一人者の努力と進化をファンは楽しみにしている。

<続く>

#2に続く
“日本記録を連発”の田中希実が楽しむ自分へのご褒美とは…世界を転戦する“ノマドランナー”が語る一番好きな国「自分の居場所は世界各国にある」

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