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「2週間前は全く頭に…」涙のネイマール古巣電撃復帰→即出場も賛否「年俸258億円で出場428分、またケガなら引退か」33歳の“低コスパ問題” 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2025/02/08 17:00

「2週間前は全く頭に…」涙のネイマール古巣電撃復帰→即出場も賛否「年俸258億円で出場428分、またケガなら引退か」33歳の“低コスパ問題”<Number Web> photograph by Sports Press Photo/Getty Images

古巣サントスに復帰を決めたネイマール。近年の低評価を覆せるのか

 元ブラジル代表CFでネイマールと親交があるロマーリオは、肯定派だ。

「来年のW杯でセレソン(ブラジル代表)が優勝するためには、ネイマールの力が絶対に必要だ。サントス復帰は、彼にとって最良の選択であり、ブラジルのフットボールにとって最高のニュースだ」

 ネイマールのサントス復帰イベントを中継したテレビ局のアナウンサーとコメンテーターたちも、まるで全盛時のネイマールが帰ってきたと錯覚しているかのような興奮した口ぶりだった。

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 一方で、辛辣な意見もある。その代表格は元ブラジル代表CFのカーザグランジである。

「(2017年の)バルセロナ退団以降、彼はプロのアスリートにはあるまじき自堕落な生活を送ってきた。近年の度重なる故障は、その代償だ。まずは生活を根本的に立て直し、自分はチームの王様ではなく一員に過ぎない、という謙虚な気持ちでプレーしない限り、彼のカムバックは望めない」

 著名評論家のマウロ・セザールも「もう彼は長いことフットボールをプレーしていない。かつてのようなプレーを見せる可能性は決して高くない」と悲観的だ。

低いプロ意識、キャリアのピークを過ぎたのは明らか

 筆者も、決して楽観していない。彼がすでにキャリアのピークを過ぎたのは明らかで、メッシ、クリスティアーノ・ロナウドらと比べてプロ意識が格段に低いのは一目瞭然である。

 とはいえ彼が「我が家」と呼ぶ古巣のクラブ関係者、地元メディア、ファンから熱烈な歓迎を受けて感激しているのは確かだ。初心に帰り、プレーに100%フォーカスすることができれば「(ほぼ)奇跡のカムバック」が実現するかもしれない、と考えている。

 彼にとって最良のシナリオは、サントスで結果を残してセレソンに復帰し、セレソンでも勝利に貢献して来年のW杯を良い状態で迎える。そしてブラジルを通算6度目の優勝に導く、というものだ。

世界一の選手はもう届かない…残された唯一の夢へ

 その一方で、故障再発のリスクは決して小さくない。靭帯損傷や骨折など重傷を負えば、その時点で引退を決意する可能性すらある、と考えている。

 彼は、これまでの16年間のプロ生活を通じて推定65億レアル(1755億円)とされる莫大な富と名声を手にした。もはや、年俸の多寡は問題ではない。「世界一の選手になる」という夢は事実上、手が届かなくなっており、残された唯一の夢は来年のW杯で優勝の立役者、そして国民的英雄になること。

【次ページ】 復帰戦…シュート2本も体調は万全ではなかった

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