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「2週間前は全く頭に…」涙のネイマール古巣電撃復帰→即出場も賛否「年俸258億円で出場428分、またケガなら引退か」33歳の“低コスパ問題”
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph bySports Press Photo/Getty Images
posted2025/02/08 17:00
古巣サントスに復帰を決めたネイマール。近年の低評価を覆せるのか
2023年8月、推定年俸1億6000万ユーロ(約258億円)でパリ・サンジェルマン(PSG)から移籍し、今年1月末までの1年半で推定2億4000万ユーロ(約386億円)を懐に入れた。この間、出場した試合はわずか7試合。実に75日に1度プレーした計算だ。
ネイマール獲得に際し、アルヒラルはPSGに推定9000万ユーロ(約145億円)の違約金を払っている。この金額と報酬を合計すると、アルヒラルがネイマールに費やした金額は推定3億3000万ユーロ(約531億円)。プレータイム合計が428分だから、1分当たり推定約77万ユーロ(約1億2400万円)というとてつもない金額を負担した計算になる。世界フットボール史上、前代未聞にして空前絶後の低コストパフォーマンスの契約となった。
望んだのはバルサ復帰だったが…古巣と5カ月契約
ネイマールの心は、最初から最後までアルヒラルにはなかった。本心は、2013年から17年まで在籍したバルセロナへ復帰したかったようだ。
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2023年以降、数度に渡って復帰を打診したが、体調面の不安から前任のシャビ監督も現在のハンジ・フリック監督も獲得を望まなかった、と報じられている。
バルセロナ以外の欧州ビッグクラブからも、オファーは届かなかった。
一方、MLSの3クラブからは熱心な勧誘を受けた。とりわけ、かつてバルセロナで一緒にプレーし、ピッチ外でも友情を培ったアルゼンチン代表FWリオネル・メッシと元ウルグアイ代表FWルイス・スアレスが在籍するインテル・マイアミからは好条件で誘われた。それと同時にブラジル国内でもサントスとフラメンゴが興味を示した。このような状況で、彼は最終的に古巣サントスを選んだ。
とはいえネイマールは事実上、2023年10月から1年3カ月以上もまともにプレーしていない。「またケガをするのではないか」という不安が頭から離れないはずだ。このような状態で、世界で最も自分を大切に扱ってくれるクラブであるサントスを選んだのは間違っていないだろう。
意外だったのは、サントスとの契約期間が今年6月末までのわずか5カ月間だったこと。これは、彼がまずサントスでコンディションを回復し、それがうまくいって良いオファーがあれば欧州へ戻ることを視野に入れているから――そうとしか考えられない。
ただし、欧州の強豪クラブからしかるべき条件でオファーがなければ、サントスで引き続きプレーする可能性もある、ということだろう。
復帰にブラジル国内は賛否両論
ネイマールのサントス復帰をどう捉えるか——。
ブラジル国内における評価は賛否両論、真っ二つに分かれている。

